Yoshimasa Murakami
Quick Facts
Biography
村上 芳正(むらかみ よしまさ、1922年(大正11年)5月11日 - )は、装幀家、挿画家、イラストレーター。
三島由紀夫、澁澤龍彦作品の装幀や、沼正三の『家畜人ヤプー』の装幀装画を手がけ、緻密な線画と点描を用いた独特の画風で知られる。
略歴
1922年(大正11年)5月11日、長崎県長崎市に生まれる。1935年(昭和10年)長崎海星中学校に入学するも、1937年(昭和12年)に中退。翌年長崎三菱製鋼所入社。1942年(昭和17年)招集。終戦後、台湾に抑留されるが1947年(昭和22年)4月に帰郷。長崎三菱製鋼所に再就職。
1950年(昭和25年)に地元劇団に参加。三島由紀夫に作品の上演許可願いを出し、許可をもらう。1951年(昭和26年)に会社の人員整理により退職。上京するものの演劇仲間を頼る生活となる。このころ、イラストや似顔絵を描くアルバイトをする。子供の頃から絵は好きであったが、本格的な勉強は受けておらず、師もいない独学である。
1953年(昭和28年)に鈴木悦郎よりひまわり社を紹介され、「それいゆ」「ジュニアそれいゆ」のカットや挿絵を描くようになる。このころの画風は中原淳一に影響されていたという。
1958年(昭和33年)に『まつり』で第43回二科展に初入選。以後第47回まで5回連続で入選を果たすが、耐乏生活のためその後の参加は諦める。
1961年(昭和36年)、芝居仲間より三島由紀夫舞台の演出家松浦竹夫の知己を得、三島を紹介され、戯曲『十日の菊』のポスター、チラシなどを手がける。三島は村上を各出版社への紹介するなどバックアップするに至る。なお、後年、自らの最後の著作となった『豊饒の海』の装幀を依頼することになる。
装幀画を手がけた作家は、三島由紀夫、河野多恵子、多田智満子、吉行淳之介、立原正秋、ジャン・ジュネ、沼正三、澁澤龍彦、吉田知子、瀬戸内晴美(寂聴)、大原富枝、連城三紀彦、赤江瀑、山村正夫、皆川博子、曾野綾子、渡辺淳一などがあげられる。雑誌『幻影城』の挿絵も担当した。
また、映画ポスター、舞台ポスター・チラシ・舞台芸術なども手がけている。さらに、レコードやCDのジャケット画、世界の童話や名作物語の装幀画や挿絵も多い。
1982年から1983年頃に、発表作品の筆名を村上昂に変えている。
著書・画集
- 田中幸一監修『薔薇の鉄索 村上芳正画集』 国書刊行会、2013年7月、ISBN 978-4-336-057365
脚注
関連項目
- 三島由紀夫
- 家畜人ヤプー