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Biography

田口 興輔(たぐち こうすけ、1941年(昭和16年)2月8日 - )は、日本の声楽家(テノール・カウンターテノール)・オペラ歌手・音楽教育者。息子はチェリストの田口裕。

経歴

鳥取県出身。鳥取県立境高等学校卒業。1963年(昭和38年)国立音楽大学卒業。1965年(昭和40年)同専攻科修了。武岡鶴代、渡邊高之助、疋田生次郎に師事。

オペラ初出演の記録は1969年(昭和44年)藤原歌劇研究所レオンカバッロ『道化師』ペッペ。出演6本目のオペラ1971年(昭和46年)オッフェンバック『ホフマン物語』ホフマンに抜擢される。1972年(昭和47年)にはプッチーニ『ラ・ボエーム』ロドルフォを務め、以降は、特にイタリアオペラの第一人者として今日に至っている。

1975年(昭和50年)からイタリアに文化庁派遣在外研修員として留学し、ミラノでマリア・カルボーネ、ジュゼッペ・パタネに師事。本場で体得したベルカントを駆使した歌唱を得意とする。

オペラではプッチーニ『トスカ』カヴァラドッシ、ヴェルディ『シモン・ボッカネグラ』ガブリエレ、ビゼー『カルメン』ドン・ホセ、ヴェルディ『リゴレット』マントヴァ公爵などを当り役とし、ヴェルディ『イル・トロヴァトーレ』マンリーコ、プッチーニ『トゥーランドット』カラフなど、次々に主演を務めた。

1996年(平成8年)2月には、イタリア・トリエステのヴェルディ歌劇場において、カルーソー記念テノールガラコンサートにニコラ・マルティヌッチらと共に共演している。

1997年(平成9年)二期会『道化師』カニオ、同年新国立劇場開場記念公演 團伊玖磨『建・TAKERU』忍代別天皇、1998年(平成10年)新国立劇場・藤原歌劇団共催ヴェルディ『ナブッコ』イズマエーレと続けて出演。

2000年(平成12年)新国立劇場・二期会共催リヒャルト・シュトラウス『サロメ』、2001年(平成13年)新国立劇場・二期会共催『リゴレット』マントヴァ公爵で出演。2009年(平成21年)3月、びわ湖ホールと神奈川県民ホール、2011年(平成23年)7月には東京文化会館で二期会創立60周年記念公演プッチーニ『トゥーランドット』アルトゥム皇帝に出演している。

コンサートにおいても、1989年(平成元年)6月14日『情熱のテノール 田口興輔リサイタル』と題してサントリーホール大ホールでソロリサイタルを開催した(指揮:ヤノーシュ・アーチス、オーケストラ:新日本フィルハーモニー交響楽団)。オーケストラとの共演でも、ヴェルディ『レクイエム』、モーツァルト『レクイエム』、ベートーヴェン『第九』、マーラー『大地の歌』など、ソリストとして評価が高い。

音楽教育者としては、国立音楽大学教授を務め、門下生をきわめて数多く育成している。「田口メソード」は多くの優秀なオペラ歌手を世界に輩出する結果を生んでいる。国立音楽大学教授を退官後もオペラの本場イタリアから「イタリアベルカントを教えられる数少ない指導者」として招かれ、オペラ歌手の育成にあたっている。日本においても東京・札幌・大阪・高松を拠点に後進の指導に貢献している。門下生には、錦織健、藤川泰彰、森口賢二、髙橋絵理、村上達哉、半沢健、荏原孝弥、山田大輔、高畑准子、与儀巧、山内真理子、吉田知明、岡崎正治、菅野敦、椿山芳、吉見佳晃、菅野敦、鈴木美根子、川西祐毅、渡邉公威、渡辺文智、草尾文隆、大間知覚、鈴木誠、北嶋康子、吉澤壮一、大野雅子、勝又晃、工藤夏子、大田翔、野村光洋、田島秀美、麻田健洋、浅原孝夫、竹永久男、髙原史乃、小谷弘幸、鈴木文、渡邉かれん、齋藤祥子、本田ゆりこ、櫻井美由紀、渡部純子、依田浩、中川京子、兼子知恵、伊藤 潤、河野あい、那須一彦、穂積磨矢子、下川慶子、兎束康雄、小林由樹、渡辺理香、松岡薫、矢崎裕加子、高柳圭、鹿野由之、吉川健一、津金久子、六角美華、冨平安希子、西島定一、豊永久美子、牛津佐和子、安川忠之、中村はじめ、藤井泰子、田中雅純、草尾延子、渡邉寛智 寺田宗永、などがいる。

2018年(平成30年)6月30日には、田口興輔のイタリアオペラ15周年を記念して、イタリア文化会館にて門下生たちによる『イタリアオペラ研究会 記念コンサート』が開催された。

また、秩父ガラコンサート音楽監督・指揮、Teatro-G 関西(神戸市)音楽監督、大分県別府市のドルチェペーラ第1回公演ドニゼッティ『愛の妙薬』公演監督、札幌サンプラザホール『ときめき オペラ・コンサート』芸術監督を務めるなど、地方芸術の振興にも貢献している。

2006年より国立音楽大学名誉教授。ぐるーぷ・ぐっち主宰。TeatroTAGUCHI主宰。

主な受賞歴

  • 1988年度(昭和63年度)第16回ジロー・オペラ賞
  • 1994年度(平成6年度)第22回ジロー・オペラ賞大賞

楽界活動

  • 二期会会員(元幹事)
  • 公益財団法人日伊音楽協会理事
  • イタリア声楽コンコルソ審査員
  • イタリア Ismaele Voltolini 国際声楽コンクール審査委員

主なディスコグラフィー

  • DVD 田口興輔テノール・リサイタル - 情熱 - 2018/06/30 Florestan
  • CD 田口興輔: Tenor Recital-声の芸術 Florestan
  • CD オペラ・アリア集 中沢桂、田口興輔、朝比奈隆、東京交響楽団 1988/7/21 ビクターエンタテインメント
  • CD 林康子オペラ・アリア集 林康子、田口興輔、ニコラ・ルッチ指揮、東京交響楽団 1989/8/21 ビクターエンタテインメント
  • CD ベートーヴェン:交響曲第9番 山田一雄、京都市交響楽団 、秋山恵美子、荒道子、田口興輔、勝部太、京都市立芸術大学音楽学部合唱団、ベリョースカ合唱団 2008/5/16 ビクターエンタテインメント
  • CD8枚組 NHK名曲アルバム 世界の愛唱歌 オムニバス 2014/8/22 NHKサービスセンター

放送出演

  • 2001年4月30日 NHK 大地のめぐみコンサート
  • 2006年2月10日 テレビ東京系列 レディス4『イタリア特集』

作曲作品

  • 鳥取県境港市立誠道小学校校歌(作詞:渋山春樹)※2020年3月廃校

脚注・出典

  1. ^ 田口興輔”. 日本人オペラ名鑑. 2020年4月19日閲覧。
  2. ^ 田口 興輔”. 二期会21. 2020年4月19日閲覧。
  3. ^ チェリストの田口裕さん”. クライス音楽事務所. 2020年4月19日閲覧。
  4. ^ Wikipedia「鳥取県立境高等学校」の項目を参照
  5. ^ [=Find_PerformanceInformation 田口興輔]”. 昭和音楽大学オペラ情報センター. 2020年4月19日閲覧。
  6. ^ 情熱のテノール 田口興輔リサイタル”. サントリーホール. 2020年4月19日閲覧。
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