Hitoshi Tadakatsu
Quick Facts
Biography
日翔志 忠勝(ひとし ただかつ、1997年8月14日 - )は、東京都立川市出身で、追手風部屋所属の現役大相撲力士。本名は沢田 日登志(さわだ ひとし)。身長181.0cm、体重150.0kg。最高位は東十両11枚目(2023年11月場所)。
来歴
東京都武蔵野市で生まれ、立川市で育った。相撲好きの祖父の影響で兄が相撲を習い始めたため、兄についていく形で自身も5歳の頃から立川錬成館に通って相撲の稽古を積んだ。中学校は新潟県の糸魚川市立能生中学校に3年時の2学期まで相撲留学し、3年時に全国中学校相撲選手権大会個人3位の実績を残した。中学校卒業後は埼玉栄高校に進学し、1年時に高校総体と弘前大会で団体優勝、2年時に選抜大会団体優勝、3年時に高校総体と宇佐大会で団体優勝を経験した。高校卒業後は日本大学スポーツ科学部競技スポーツ学科に進学し、3年時に金沢大会団体優勝、4年時に金沢大会・十和田大会・全国学生選手権で団体優勝、全国学生相撲個人体重別選手権大会無差別級優勝の実績を残した。
大学卒業後は日本大学事業部に就職し、実業団選手として活動しながら日本大学相撲部でコーチを務めたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で大会が中止となり、練習もままならない状況を経験。相撲を離れて自分と向き合う時間が増えた状況で2020年12月の全日本選手権に出場したことがきっかけとなり、大相撲の追手風部屋に入門した。大学職員という安定を捨てる選択肢であったため、父の反対を押し切っての入門となった。本人は後に「頭良くないし、成り上がるには相撲しかない」と考えていたことを明かしている。
新弟子検査では年齢制限緩和措置が適用され、2021年5月場所で23歳で初土俵。初めて序ノ口の番付に名前が載った7月場所は5勝2敗。翌9月場所は序二段に番付を上げて、7戦全勝で序二段優勝を果たす。続く11月場所では三段目に昇進したが、9月場所後の稽古で首を痛めたため、この場所から3場所連続で全休した。怪我をした直後の約1か月間(2ヶ月という説もある)は寝たきりの状態となり、怪我の影響で頭から当たる相撲を取ることは出来なくなったが、同部屋力士らの激励、さらに師匠からの「絶対十両に上がれる」との励ましもあり、2022年5月場所から土俵に復帰。ちなみに、休場中であった同年3月には父が急死。復帰2場所目の同年7月場所は序二段の地位で7戦全勝とし、2度目の序二段優勝を果たした。しかし優勝を決めた13日目の取組後に同部屋の幕内遠藤の新型コロナウイルス感染が判明したためNHKによる優勝インタビューを受けることができず、千秋楽の表彰式にも参加できなかった。翌9月場所で三段目に復帰し、続く11月場所は一翔との優勝決定戦を制して7戦全勝で三段目優勝を果たした。新幕下となり東18枚目に昇進した2023年1月場所は4勝3敗で勝ち越し。3月場所は首の怪我による休場を除けば初めての負け越しとなった。しかし5月、7月両場所はいずれも5勝2敗と勝ち越し、自己最高位の西幕下3枚目で迎えた9月場所で6勝1敗の成績を挙げ、十両昇進が確実視されることとなった。千秋楽で7人による優勝決定戦を制し幕下優勝。幕下優勝を決めた際は「辞めなくて良かった。次はまず勝ち越しを目指したい」と目を輝かせた。9月27日に開かれた番付編成会議で、11月場所の新十両昇進が正式に発表された。同日、追手風部屋で記者会見し、入門から約2年半での新十両昇進を「思った以上に時間がかかった。本当に良かった」と喜んだ。対戦したい力士として高校の同期の琴ノ若の名前を挙げ「早く追いつけるように頑張りたい」と意気込んだ。11月場所は初日から2連敗し、2日目の天空海戦では右足を痛めて車椅子で土俵を後にした。骨には異常がなかったため、その翌日の3日目には痛み止めの注射を打って出場。右足を引きずって引き揚げたが、貴健斗から押し出しで念願の関取初白星を手にした。しかしケガの影響かこの場所は2勝13敗と大敗を喫してしまい、1場所で幕下に逆戻りとなった。
人物
- 協会公式プロフィールによると、好きな歌手はサザンオールスターズ、長渕剛。好物は肉。好きなテレビ番組やYouTube動画はバラエティ系。趣味はサウナ。
主な成績
2024年1月場所終了現在
通算成績
- 通算成績:63勝36敗21休(17場所)
- 十両成績:2勝13敗(1場所)
各段優勝
- 幕下優勝:1回(2023年9月場所)
- 三段目優勝:1回(2022年11月場所)
- 序二段優勝:2回(2021年9月場所、2022年7月場所)
場所別成績
一月場所 初場所(東京) | 三月場所 春場所(大阪) | 五月場所 夏場所(東京) | 七月場所 名古屋場所(愛知) | 九月場所 秋場所(東京) | 十一月場所 九州場所(福岡) | |
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2021年 (令和3年) | x | x | (前相撲) | 西序ノ口19枚目 5–2 | 東序二段63枚目 優勝 7–0 | 西三段目63枚目 休場 0–0–7 |
2022年 (令和4年) | 東序二段24枚目 休場 0–0–7 | 西序二段94枚目 休場 0–0–7 | 西序ノ口4枚目 5–2 | 東序二段62枚目 優勝 7–0 | 東三段目61枚目 5–2 | 東三段目28枚目 優勝 7–0 |
2023年 (令和5年) | 東幕下18枚目 4–3 | 東幕下14枚目 3–4 | 西幕下18枚目 5–2 | 西幕下9枚目 5–2 | 西幕下3枚目 優勝 6–1 | 東十両11枚目 2–13 |
2024年 (令和6年) | 東幕下7枚目 2–5 | x | x | x | x | x |
各欄の数字は、「勝ち-負け-休場」を示す。 優勝 引退 休場 十両 幕下 三賞:敢=敢闘賞、殊=殊勲賞、技=技能賞 その他:★=金星 番付階級:幕内 - 十両 - 幕下 - 三段目 - 序二段 - 序ノ口 幕内序列:横綱 - 大関 - 関脇 - 小結 - 前頭(「#数字」は各位内の序列) |
改名歴
- 沢田翔 日登志(さわだしょう ひとし)2021年5月場所
- 日翔志 忠勝(ひとし ただかつ)2021年7月場所 -
脚注
出典
- ^ 「全新弟子名鑑」『相撲』2021年6月号、ベースボール・マガジン社、90頁。
- ^ 「<ひと ゆめ みらい>社会人から決意の大相撲 秋場所で序二段優勝・日翔志(24)=立川市出身」『東京新聞』、2021年11月22日。2022年11月28日閲覧。
- ^ 「日翔志が三段目優勝 首の大ケガ乗り越え来場所は初の幕下へ「感慨深いです」」『スポニチアネックス』、2022年11月27日。2022年11月28日閲覧。
- ^ 「十両以下各段優勝者」『相撲』2021年10月号、ベースボール・マガジン社、69頁。
- ^ 一時引退も考えた十両昇進の日翔志「上がれてよかった」と感慨 近く天国で見守る父へ墓参り 日刊スポーツ 2023年9月27日11時49分 (2023年9月28日閲覧)
- ^ 日翔志幕下V 7人による決定戦制す 2年前脱サラ 首の大けが乗り越え「辞めないで良かった」 日刊スポーツ 2023年9月24日16時50分 (2023年9月25日閲覧)
- ^ 「十両以下各段優勝者」『相撲』2022年8月号、ベースボール・マガジン社、69頁。
- ^ 日翔志“感謝”の初十両昇進 首の大ケガで2カ月寝たきり、父急逝…屈強乗り越えはい上がった デイリースポーツ 2023.09.28 (2023年9月28日閲覧)
- ^ 苦労人・日翔志 新十両に「感慨深い」 頸椎損傷で2カ月寝たきり 父の死も乗り越え Sponichi Annex 2023年9月28日 05:00 (2023年10月4日閲覧)
- ^ 「【相撲編集部が選ぶ名古屋場所13日目の一番】王鵬、幕内で初めての勝ち越し決める」『BBMスポーツ』、2022年7月22日。2022年11月29日閲覧。
- ^ “日翔志6勝!新十両昇進確実に「うれしい。感慨深い」首の大ケガから復帰…ついに悲願成就”.スポーツニッポン. 2023年9月22日閲覧。
- ^ “大相撲秋場所 幕下は日翔志が優勝 7人による優勝決定戦制する”.NHK. 2023年9月25日閲覧。
- ^ “九州場所の十両昇進3人を発表「成り上がるには相撲しかない」日翔志が念願の関取の座ゲット”.日刊スポーツ. 2023年9月27日閲覧。
- ^ 日翔志「本当に良かった」 新十両昇進に喜び サンスポ 2023/09/27 11:57 (2023年9月28日閲覧)
- ^ 新十両の日翔志が2連敗 足を痛めて立ち上がれず車いすで引き揚げ 日刊スポーツ 2023年11月13日17時38分 (2023年11月14日閲覧)
- ^ 新十両の日翔志が念願の関取初白星 右足首痛め前日は車いすで引き揚げも痛み止め注射打って出場 日刊スポーツ 2023年11月14日16時26分 (2023年11月14日閲覧)
- ^ 日翔志 忠勝 - 力士プロフィール 日本相撲協会 (2023年11月20日閲覧)
- ^ 7人による幕下優勝決定戦
関連項目
- 大相撲力士一覧