Tateo Nakami

中見 立夫（なかみ たてお、1952年2月 - ）は、日本の政治学者、歴史学者。専門は東アジア地域の外交史、国際関係論。東京外国語大学名誉教授。

一橋大学大学院法学研究科で国際関係論・外交史の細谷千博の指導を受けた。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授を歴任。2006年モンゴル国大統領北極星勲章受章。

略歴

• 1974年 - 東京外国語大学外国語学部モンゴル語学科卒業
• 1977年 - 一橋大学大学院法学研究科公法専攻修士課程修了
• 1979年 - 一橋大学大学院法学研究科公法専攻博士課程中退、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所助手
• 1987年 - 同 助教授
• 1997年 - 同 教授
• 2017年 - 東京外国語大学を定年退職、名誉教授

楊海英は、中見が著書『「満蒙問題」の歴史的構図』（東京大学出版会、2013年）において、「満蒙独立運動（中国語版）は存在しなかった」「『独立運動』という以上は、誰が、いかなる勢力が『独立』を『運動』するのであろうか。論理的にみれば、独立をめざす現地側の主体を用意しなければならなかった」と捉えており、「まるで日本側の動きだけがあり、モンゴル側は自主的に何もしなかったとでも主張したいようだ」として、モンゴル人の主体的な民族自決・独立運動の歴史を否定する勢力は、「右で例示したような日本の研究者（中見立夫）と中国共産党側の学者」であり、「いわゆる満蒙独立を煽ったのは軍部の極一部」であり、「悪いのは日本軍だと反省」して、「満蒙独立運動は幻想だった」として、中国と中国人（漢民族）に謝罪することにより、モンゴル人と満州人の諒解を得られると信じており、中国も「悪いのは日本で、モンゴル人は盲従し、利用されただけだ」と懐柔を示すが、中国がモンゴル人の独立自決運動を否定するのは、自らを「日本の圧政から諸民族を解放した英雄」に仕立て上げるためであり、「私たちモンゴル人からすれば、どちらも歴史修正者の視点であるとしかいいようがない」と批判している。

単著

• 『「満蒙問題」の歴史的構図』（東京大学出版会、2013年）

共著

• 間野英二、堀直、小松久男『地域からの世界史6 内陸アジア』（朝日新聞社、1992年）
• 国分良成・倉田秀也・小島朋之・高橋伸夫・谷垣真理子・長田彰文・平岩俊司・若林正丈『東アジア』（自由国民社、 1997年）

編著

• 『境界を超えて―東アジアの周縁から―』（山川出版社、2002年）
• 　江夏由樹、西村成雄、山本有造『近代中国東北地域史研究の新視角』（山川出版社、2005年）

• 「大橋忠一と須磨弥吉郎　―異色外交官の戦前・戦中・戦後―」『東アジア近代史』第11号（2008年3月）、67－87頁。
• 「宣統三年夏の庫倫」、細谷良夫編『清朝史研究の新たなる地平　―フィールドと文書を追って―　』（山川出版社、2008年2月）、310－330頁。
• 「旗人金梁与清史档案」、中国第一歴史档案館編『明清档案与歴史研究論文集―慶祝中国第一歴史档案館成立80周年』上冊（北京：新華出版社、2008年1月）、108－120頁。