Takashi Arima
Quick Facts
Biography
有馬 敲(ありま たかし、1931年12月17日- )は昭和・平成期の詩人、作家。本名は西田 綽宏(にしだ のぶひろ)。日本文藝家協会、日本ペンクラブ所属。 関西詩人協会代表。京都文学研究所代表。全国生活語詩の会代表。日本国際詩人協会理事。元日本モンゴル協会会長。
経歴
1931年12月17日生まれ。京都府亀岡市出身。同志社大学経済学部卒業。同志社大学経済学部在学中に「同志社文学」を発行、実存主義の影響を受ける。卒業後、京都銀行に勤めながら詩作を続け、詩誌「ノッポとチビ」「ゲリラ」などを発行する。昭和40年代に盛んになったフォークソング運動では、高石友也、岡林信康らと交流、創作わらべうたなどがフォークシンガーたちによって歌われ、〝オーラル派〝と呼ばれる。1977年には京都銀行金閣寺支店長からタカラブネに転職、1982年には役員となった。
この間、創作活動を続け、詩集『終りのはじまり』『迷路から』『白い闇』『よそ者の唄』『東西南北』『インドの記憶』『有馬敲詩集』、創作わらべうた集『らくちゅうらくがいらくがき』、合唱曲集『ちいさなちきゅう』、評論集『定住と移動』『京の夢・異郷の夢』『現場と芸術』、小説『芦生の森』など詩、小説、評論などを発表し、2000年からそれらを収録した『有馬敲集』全25巻(編集工房ノア・未踏社)を刊行中。詩集は英語など30数か国語に訳されている。1995年日本モンゴル協会会長。また1990年から国際詩大会に参加し、詩朗読を提唱。世界各国で開催される大会で自作の詩を朗読。2002年スペインのグラン・カナリア国際詩人祭の国際詩人賞・アトランチダ賞を東洋人で初めて受賞した。
その後、インド、モンゴル、ギリシャなどの国際詩賞も受賞。また、国内では、創作わらべうた「せみ」「かもつれっしゃ」などが国語教科書に採用されている。さらに2000年以降は生活語詩を提唱し、詩集『浮世京草子』(2002)『古都新生』(2009)などを出版するとともにアンソロジー『現代生活語詩集』(2007)ほか数冊を編集して、全国的な話題となっている。平成25年度、京都市芸術振興賞受賞。
代表作・作品名
- 詩集
- 『変形』(1957)
- 『薄明の壁』(1959)
- 『新篇わらべうた』(1963)
- 『贋金つくり’63』(1963)
- 『ぼくのしるし』(1966)
- 『海からきた女』(1967)
- 『わたしのげんまん』(1967)
- 『くりかえし』(1971)
- 『終りのはじまり』(1973)
- 『ありがとう』(1981)
- 『糺の森』『有馬敲全詩集』(2010)
- 『晩年』(2013)
- 『新編 有馬敲 詩集(日本現代詩文庫)』(2013)
- 『ほら吹き将軍』(2014)
- 『有馬敲詩集(現代詩文庫)』(2016)
- 『時の二重奏 Duet of time : 響き合う東西詩人: 詩的対話』ジャーメイン・ドルーゲンブロート共著( 日本国際詩人協会)(2016)
- 小説
- 『バグダッドへの道』(2003)
- 『レマン湖の月』『京の森の物語』(2007)
- 評論集
- 『替歌研究』(2000)ISBN 4-87758-202-9
- 『替歌・戯歌研究』(2003)ISBN 4-87758-309-2
- 『現代生活語詩考』(2008)ISBN 4-94401-516-X
- 『有馬敲 言行録』(2016) ISBN 978-4-8120-2304-4
受賞歴
- 中部日本詩人賞努力賞(第8回)〔1960年〕(詩集『薄明の壁』にて)
- サンケイ児童出版文化賞・推薦賞〔1982年〕
- アトランチダ賞(第5回)〔2002年〕
- マイケル・マドスダン賞(第28回)〔2003年〕
- モンゴル国文化基金賞〔2004年〕
- サラミナ詩文学翻訳賞〔2005年〕(『孤独な遍歴者』にて)
- 京都市芸術文化協会賞〔2008年〕
音楽との関係
- 1967年、関西フォークソング運動に参加。自作の詩のうち、30余の詩に作曲家、ミュージシャンが曲をつけて様々なアーティストが歌い、レコード、CDとなっている。
- 1970年代から京都のコーヒーハウス「ほんやら洞」などを拠点にして、秋山基夫、片桐ユズルらとオーラル派を結成。全国各地で自作詩の朗読キャラバンをつづけた。秋山、 片桐の3人によるポエトリー・リーディングの実況録音盤「ほんやら洞の詩人たち」(URC)が1975年にリリースされた。
- 「値上げ」、「年輪」などを高田渡が作曲・歌唱し、自身のアルバムに収録。
- 「180°回転」に高田渡が曲をつけ、第1回全日本フォークジャンボリーで中川五郎が歌う。
- 創作わらべうた「まつかさ」、「ゆあそび」など子ども向けの詩に岩井宏らが曲を付けて、バラーズ、マヨネーズ(坂庭省悟、中嶋陽二ら)が歌い、1970年に「ぼくのしるし わらべうた24」(URC)として、レコード化している。
- 他に、小椋佳、杜こなてらが作曲している。
- 岡林信康の楽曲など関西フォークでしばしば見られた替え歌を紹介した「時代を生きる替歌・考 諷刺・笑い・色気」(人文書院、2003年)を上梓。
脚注、出典
- ^ 日本文藝家協会
- ^ 日本ペンクラブ 電子文藝館 the japan pen club degital library 「広島のクスノキ」有馬敲
- ^ 関西詩人協会
- ^ Western-Eastern Poets in Sympathy Poetry Reading in Kyoto 2015 Organized by Japan Universal Poets Association
- ^ 日本国際詩人協会 JUNPA (Japan Universal Poets Association)
- ^ 同支社文学
- ^ 以上、『20世紀日本人名事典』 (日外アソシエーツ編集発行 発売元紀伊国屋書店)および「関西詩人協会会報」(創刊号~第56号)参照
- ^ 京都市芸術振興賞 京都市芸術新人賞
関連人物
- 片桐ユズル
- 高田渡
- 中川五郎
- 岩井宏
- 坂庭省悟
- 小椋佳
関連項目
- 関西フォーク