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Yukio Hasegawa

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Biography

長谷川 幸男(はせがわ ゆきお、1927年(昭和2年)5月9日 - 2016年(平成28年)5月23日)は日本のロボット研究者、エンジニア。早稲田大学博士(工学)、同名誉教授。精工舎技術課長、能率課長、早稲田大学生産研究所助教授、同大学システム科学研究所教授を歴任。国際ロボット連盟や国際建設ロボット学会では会長を務め、産学共同の建設ロボット化プロジェクト「WASCOR」を主導した。1977年に第1回エンゲルバーガー賞を受賞し、2015年には瑞宝中綬章を受章している。

来歴・人物

長谷川は1951年に早稲田大学理工学部工業経営学科(機械分科)を卒業し、精工舎へ入社。生産技術に携わる。1957年から1958年にかけてミシガン大学に滞在し、生産技術を研究する。

アメリカから帰国後は引き続き生産技術に携わるとともに、技術課長や能率課長を務める。1965年より早稲田大学生産技術研究所助教授に転任。同研究所はシステム科学研究所に改変され、1971年からは教授となる。

1980年頃には、産学連携で実施された「建築用コンクリート打ち込み型わくのハンドリング組立自動化モデル策定研究」の委員長を務め、1982年からは11社と共同で建設ロボット化共同プロジェクト「WASCOR」を開始する。このプロジェクトは15年間に及び、31件の特許が出願された。また、システム科学研究所では、社会人向けのロボット講座も実施している。

1978年と1989年にはスイスのローザンヌ工科大学客員教授として、組み立てロボットの研究開発に協力する。また、ロボットの国際標準規格制定に関する活動にも関与した。この間、1985年に体調を崩し、委員会の役職を代わってもらうこともあった。1990年頃には、国際ロボット連盟(IFR)と国際建設ロボット学会(IAARC)では会長を務めた。

学術的な研究としては、ロボットの関節構成に関する研究、建設作業の解析や建設作業のロボット化に関する研究を進めている。なお、1998年に『建築作業におけるロボット化の技法に関する研究』として博士論文をまとめ、論文博士で博士(工学)の学位を取得している。

なお長谷川は伊豆高原に別荘を持っており、研究室の夏合宿で学生達を招待していた。また、正月には自宅に学生を招いており、夫人が手料理を提供していたという。1997年度いっぱいで早稲田大学を定年退職し、同大学名誉教授となる。

定年後も2001年開催の国際会議でバンケットのスピーチを担当したり、2003年の学会誌に解説を執筆した。また、晩年は財団の表彰や研究助成で審査委員を務めたり、企業の研究協力に携わったりするとともに、東京工業大学准教授の長谷川修が立ち上げたベンチャー企業「SOINN株式会社」でも取締役相談役を務めた。2016年5月23日死去。

受賞・栄典

  • 日本工学アカデミー 会員
  • 1977年 - 第1回 エンゲルバーガー賞 受賞。
  • 1990年 - 第7回 ゴールデン・ロボット賞 受賞。
  • 1990年 - 通商産業大臣賞
  • 2002年 - 日本ロボット学会 名誉会員(名誉顧問)
  • 2012年 - 日本ロボット学会 設立特別功労賞
  • 2015年 - 瑞宝中綬章

著作

学位論文

著書

解説

(建設ロボット)

(ロボットと社会)

(ロボット・標準化)

(ロボット・生産システム)

(その他)

講演録

脚注

注釈

  1. ^ システム科学研究所は産学官の受託・共同研究が特徴であった。同研究所はアジア太平洋研究センターに改変され、一部はそこから分離したWBS研究センターに継承されている。
  2. ^ WASCOR は WASeda COnstruction Robot から来ている。
  3. ^ 最終講義が1998年3月9日であり、「1997年度定年退職」とされているので、名誉教授になったのは1998年の4月以降。日本ロボット学会誌の追悼における「平成9年 早稲田大学名誉教授」の記述は間違い。
  4. ^ 学位論文の要旨が、建築雑誌『建築年報1998』p.97(1998年9月)NAID 110003796964に掲載されている。
  5. ^ J.F.エンゲルバーガー 著、杉本旭・高島覚・正木一郎 翻訳(出版社サイトより、2016年5月3日閲覧。)。

出典

  1. ^ 長谷川幸男 1992, p. 484.
  2. ^ 長谷川幸男 2003, p. 235.
  3. ^ JRSJ追悼 2016, p. お知らせ3.
  4. ^ 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.424
  5. ^ 玉木欽也『設備計画に関する研究 ―ロボット関節構成の選定方法の開発―』早稲田大学博士論文(甲第802号)、1989年6月22日
  6. ^ 長谷川幸男 1998.
  7. ^ 日本ロボット学会名誉会員のご紹介」『日本ロボット学会誌』第20巻第4号、2002年5月、 お知らせ2。
  8. ^ 高西淳夫 2013, p. 10.
  9. ^ 杉本旭「第13回産業用ロボット国際シンポジウムに参加して」『日本ロボット学会誌』第1巻、第2号、1983年、61-64頁
  10. ^ Past Recipients by Year, , Robotics Online > Joseph F. Engelberger Awards (Robotics Industry Association), http://www.robotics.org/filesDownload.cfm?dl=pastrecipients_year.pdf 2016年5月3日閲覧。 
  11. ^ “平成27年 春の叙勲” (PDF) (プレスリリース), http://44c6cd6da5a332.lolipop.jp/soinn_com/soinn_new/misc/zuiho-chujusho.pdf 2016年5月4日閲覧。 
  12. ^ 概要”. アジア太平洋研究センター.早稲田大学大学院アジア太平洋研究科 国際関係学専攻. 2016年5月13日閲覧。
  13. ^ WBS研究センターについて”.早稲田大学商学学術院総合研究所WBS研究センター. 2016年5月13日閲覧。
  14. ^ 上野・長谷川 1981.
  15. ^ 久武経夫 2007.
  16. ^ 久武・中里 2011.
  17. ^ 長谷川・白井・高西 1985.
  18. ^ 高橋浩爾「産業用ロボットの安全 (ISO/TC184/SC2/WG3)」『日本ロボット学会誌』第4巻第1号、1986年、 37-38頁。
  19. ^ 長谷川幸男 1986.
  20. ^ 『平成7年度産業用ロボット国際標準化対策事業報告書』(レポート)、社団法人日本機械工業連合会、社団法人日本ロボット工業会、1986年6月。
  21. ^ 長谷川幸男 1993.
  22. ^ 玉木欽也、長谷川幸男、石舘達二「ロボットのリスト関節構成に関する幾何学的特性の解析」第55巻第515号、1989年。
  23. ^ 玉木欽也、長谷川幸男、石舘達二「ロボットアーム関節構成に関する作動領域の幾何学的特微による分類」『日本ロボット学会誌』第6巻第6号、1988年、 507-516頁。
  24. ^ 伊早坂睦、平澤尚毅、横溝克己、三浦延恭、長谷川幸男「鉄骨建方作業における鳶工の情報処理過程に関する研究」『人間工学』第23巻、1987年、 212-213頁。
  25. ^ 長谷川幸男「鉄筋コンクリート建築物建物作業のロボット化について」『システム科学研究所紀要』第13号、1982年3月、75-87頁。
  26. ^ 長谷川幸男「モジュール化建設ロボットのための要求動作仕様の記述方法について」『システム科学研究所紀要』第24号、1993年3月、101-109号。
  27. ^ JRSJ追悼 2016, p. お知らせ4、玉木欽也「追悼 長谷川幸男先生を慎む」
  28. ^ 早稲田大学関係 定年退職教員最終講義”.早稲田大学図書館. 2016年5月13日閲覧。
  29. ^ JRSJ追悼, p. お知らせ3.
  30. ^ 高信英明「第32回ロボティクスに関する国際シンポジウム (ISR 2001) 報告」『日本ロボット学会誌』第19巻第7号、2001年、 852頁。
  31. ^ 長谷川幸男 2003.
  32. ^ 専攻方法[審査委員会]”. 表彰・研究助成.スガウェザリング技術振興財団. 2016年5月4日閲覧。
  33. ^ メンバー紹介”.株式会社ケン・リサーチ. 2016年5月4日閲覧。
  34. ^ 会社概要”.SOINN株式会社. 2015年5月4日閲覧。
  35. ^ 会員の受賞」、日本工学アカデミー、2015年11月18日、2016年5月4日閲覧。
  36. ^ 名誉会員”. 学会案内.日本ロボット学会. 2016年5月4日閲覧。
  37. ^ 設立特別功労賞”. 表彰.日本ロボット学会. 2016年5月4日閲覧。
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