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関 義臣（せき よしおみ、1839年5月22日（天保10年4月10日） - 1918年（大正7年）3月30日）は、日本の武士・越前福井藩士、政治家。別名を山本龍二郎、関龍二。号は湘雲。正三位勲二等男爵。
略歴
1839年、福井藩の家老である本多家の越前府中(現在の越前市、旧武生市)領にて、本多家家臣・山本五郎の三男に生まれる。当初名乗っていた名前は山本龍次郎であった。嫡男ではないため、福井本藩の家臣であった山本家の分家で育つ。
藩校明道館に学び、幹事の橋本左内に認められて、文久2年（1862年）に昌平坂学問所に学んだ。1866年（慶応2年）、長崎の坂本龍馬を訪ねて亀山社中に加盟し、のちに海援隊に属した。この頃より「関龍二」を名乗る。直後に英国への渡航を行うが、長崎から出帆した船が台風に遭遇して遭難し、上海を経由して長崎に帰還した。その後は京都の越前藩屋敷に出仕するが、藩の中心人物らと上手く行かず、大阪などで新政府の官吏として活躍していたが、これは藩の許可は得ていなかった。
1868年（明治元年）には、大阪の舎密局で舎長を務めたが、新政府の中心人物らと福井藩の人物らとの間に軋轢が生じるようになると、新政府方で活躍していた関の存在は福井藩に疎ましく思われ始めた。身柄は福井藩士のままであった関は福井藩に呼び戻されるも応じなかったため、福井藩により捕縛され、福井に強制帰還させられ府中の兄の家に幽閉される。
1870年（明治3年）の武生騒動に関与したとして捕縛され、藩は死刑を求刑するも、新政府はこれを認めず、後に釈放される。
大阪府権判事をはじめ、鳥取県権令や宮城控訴院検事長、大審院検事、徳島県知事、山形県知事、貴族院勅選議員（1897年12月23日任）などを歴任。1902年2月25日、錦鶏間祗候となる。
1907年（明治40年）9月、日露戦争の功により男爵を授けられる。1918年3月、肺炎のため麻布一本松町の邸宅に於いて薨去。享年79。墓所は青山霊園。
栄典
- 位階
- 1874年（明治7年）2月23日 - 正六位
- 1886年（明治19年）7月8日 - 従五位
- 1890年（明治23年）8月6日 – 従四位
- 1894年（明治27年）5月21日 - 正四位
- 1903年（明治36年）12月1日 - 従三位
- 勲章等
- 1885年（明治18年）4月7日 - 勲六等単光旭日章
- 1889年（明治22年）11月29日 - 大日本帝国憲法発布記念章
- 1900年（明治33年）6月30日 - 勲三等瑞宝章
- 1907年（明治40年）9月23日 - 男爵
- 1916年（大正5年）4月1日 - 勲二等瑞宝章
著作
- 秋声窓詩抄別集が国立国会図書館に所蔵されている。
親族
- 妻:邨子（むらこ、久米貞元五女）
- 男子
- 義寿（貴族院男爵議員）
- 義胤（東乙彦養子）
- 義長（三菱電機社長）
- 女子
- 貞子（東乙彦夫人）
- 淑子（上野景明夫人）
脚注
- ^ 『官報』第4346号、明治30年12月24日。
- ^ 『官報』第5591号、明治35年2月26日。
- ^ 『太政官日誌』 明治7年 第1-63号 コマ番号124
- ^ 『官報』第907号「叙任及辞令」1886年7月10日。
- ^ 『官報』第2136号「叙任及辞令」1890年8月12日。
- ^ 『官報』第3266号「叙任及辞令」1894年5月22日。
- ^ 『官報』第6126号「叙任及辞令」1903年12月2日。
- ^ 『官報』第538号「賞勲叙任」1885年4月21日。
- ^ 『官報』第1932号「叙任及辞令」1889年12月5日。
- ^ 『官報』第5098号「叙任及辞令」1900年7月2日。
- ^ 『官報』第7273号「授爵・叙任及辞令」1907年9月25日。
- ^ 『官報』第1218号「叙任及辞令」1916年8月21日。
- ^ 『平成新修旧華族家系大成』上巻、783-784頁。