Tuoba Gu

拓跋 觚（たくばつ こ、生年不詳 - 397年）は、北魏の皇族。秦愍王。

拓跋翰の子、拓跋珪（後の道武帝）の異父弟として生まれた。若くして同父兄の拓跋儀とともに道武帝に従い、側近の侍衛をつとめた。390年（登国5年）、後燕に対する使者として立った。慕容垂は觚を抑留して道武帝に金銭の支払いを求めたため、道武帝は後燕との関係を断絶した。觚は部下の数十騎を率いて、監視役を殺して逃走したが、慕容宝に捕らえられ、中山に連れ返された。觚は学業に専心して、経書数十万言を音読したため、後燕の国人たちは皆彼を重んじた。397年（皇始2年）、道武帝が中山を攻撃すると、慕容麟が自立して觚を殺害した。道武帝は中山を平定すると、慕容麟の柩を暴いて、その遺体に斬りつけた。さらに觚を殺すようそそのかした高霸や程同らを一族とともに皆殺しにした。觚の遺体は改葬されて、秦愍王と追諡された。

子の拓跋夔が豫章王に封じられて觚の後を嗣いだ。

• 『魏書』巻15 列伝第3
• 『北史』巻15 列伝第3