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Japan
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Sōhei Kondō
Japanese geneticist

Sōhei Kondō

The basics

Quick Facts

Intro
Japanese geneticist
Places
Work field
Gender
Male
Place of birth
Fukuoka Prefecture, Japan
Age
92 years
Education
Kyoto University
Awards
Finsen Medal
(1996)
The details (from wikipedia)

Biography

近藤 宗平(こんどう そうへい、1922年5月7日 - 2014年6月10日)は日本の遺伝学者、放射線ホルミシスの研究者。理学博士。

来歴

福岡県出身。京都帝国大学理学部物理学科(実験原子核物理専攻)卒。広島市への原子爆弾投下を受けて、学生として京大原爆物理調査班に参加、放射性物質で汚染された資料の採取、放射能の測定などを行う。核物理学から遺伝学、基礎医学への道へ進む。国立遺伝学研究所室長、大阪大学医学部放射線基礎医学教室教授、近畿大学原子力研究所教授などを歴任。大阪大学名誉教授、近畿大学原子力研究所特別研究員。放射線と健康を考える会会員。1958年 京都大学理学博士 「Thermodynamical fundamental equation for spherical interface」。

1986年、「人は放射線になぜ弱いか」で、第2回講談社科学出版賞受賞。高松宮妃癌研究基金学術賞、日本遺伝学会木原賞、放射線影響協会江藤記念賞、デンマークの国際光生物学会フィンセン・メダル等を受賞。2006年には、これまでの放射線影響研究などの貢献に対して、日本放射線影響学会から功労賞を受賞。

2014年6月10日午後10時7分、多臓器不全のため大阪府羽曳野市の病院で死去した。92歳没。

ホルミシス説の展開

線形非閾値モデル(LNTモデル)を採用している国際放射線防護委員会(ICRP)を批判し、放射線は少しであれば、むしろ浴びたほうが健康によい影響を与えるとする説を積極的に展開しているが、1978年の「日本物理學會誌」では、マックス・デルブリュックによるショウジョウバエの研究を紹介し、その研究結果は被曝した線量に比例して突然変異が起こることを示し、さらに、線量率に依存しないことも示され、それらの結果を援用するシュレディンガーの考えに賛意を示していた。1985年に出版された『人は放射線になぜ弱いか』でも、初版の時点では、まだホルミシスという言葉も出てきていないが、1989年に電力中央研究所の服部禎男を委員長とするホルミシス研究委員会が発足し、電力中央研究所の依頼を受けて、委員会には、近藤のほか、東京大学の岡田重文や京都大学の菅原勉らとともに20名以上のメンバーが参加し、 各大学の医学部、生物学部との共同研究が行われようになった。次第に遺伝子の修復作用を重視する立場から、低線量における被曝影響を認めるLNTモデルに対する批判を強め、ホルミシス説の確立に向けた活動を精力的に行うようになっていった。

1993年に、放射線ホルミシス説を普及させるため、日本語ではなく、英文の著書「Health Effects of Low-level Radiation」を出版した。安全安心科学アカデミーによれば、この著書は広くヨーロッパの研究者にも知られるようになり、放射線ホルミシス提唱者Luckeyの著書よりも高い評価を受けたとしている。安全安心科学アカデミーによれば、近藤の活動もあって、ICRP1990年勧告において、ICRP加盟国の国内規制法令への取り入れの大幅な遅れが生じるなど、その波及効果は1990年以降の放射線リスク論争にも及んでいる、としている。日本では、「ICRP1990年勧告(Pub.60)の国内制度等への取入れについて」の放射線審議会が1998年にも行われている。

安全安心科学アカデミーは、近藤の提唱に対して、米国上院が動き始め、2000年に国家研究プロジェクトとして米国エネルギー省(DOE)のもとに低線量放射線研究プログラム(Low Dose Radiation Research Program)が設立された、と主張している。

2003年、核融合科学研究会の求めに応じて、委託研究報告書「低線量放射線の健康影響に関する調査」が発行され、序章、I章からⅣ章までを執筆担当した。

ラドン温泉の研究

1992年、ラドン温泉のホルミシス効果を調べるために、国立がんセンターの祖父江友孝放射線研究部長、岡山病院の古本嘉明院長らとともに、鳥取県の三朝温泉地区の住民を対象にした疫学調査を行い、他の地区に比較して、1952年から1988年の癌死亡率が低いとする結論を見出した論文を日本癌学会の会報にて発表した。だがその後、近藤らは再調査を行い、調査期間や調査方法などを更新して分析した結果、高レベルのラドン地区と対照地区との死亡率の差は見られなかった。

Radiation, Science, and Health, Inc.(RSH)

1996年に設立された米国のNPO団体、放射線・科学・健康協会(Radiation, Science, and Health, Inc.:RSH)において、ミズーリ大学名誉教授のトーマス・ラッキー(Thomas D. Luckey)、ピッツバーグ大学名誉教授のバーナード・コーエン(Bernard Cohen)、電力中央研究所の服部禎男等とともに創設メンバーの1人として理事を務めるなど国際的にも活動している。RSHはLNTモデルが誤りであると主張し、そのデータを提供し、放射線防護にはコストが掛かり過ぎるとして放射線防護に関する公共政策の見直しを目指している。RSHは、政府機関が放射線ホルミシスを含むデータを抑圧し、放射線の恐怖を助長している主張している。RSHでは放射線ホルミシス効果を支持する科学的データの収集を行い、放射線防護規制に対する抗議運動を活発に行っている。

1999年4月21日、後援にRSHを筆頭に各原子力関連の学会や放射線関連学会、協賛に電気事業連合会のサポートを得て、「低線量放射線影響に関する公開シンポジウム―放射線と健康」が東京の京王プラザホテルで開催され、「少しの放射線にはびくともしない人体―生体の防御機能はすばらしいー」というタイトルで講演を行った。講演では、アポトーシス、チェルノブイリ、DNA修復を例に、自然の数十倍程度の放射線ではリスクの蓄積はないとし、原爆の影響に対する発言もあった模様である。

チェルノブイリ原発事故に対する見解

1986年に起きたチェルノブイリ原発事故による影響に関して、原爆症の研究結果などから甲状腺癌の発症は放射線による被曝後、通常、10年以上の潜伏期間があるため、わずか5年で影響が出るのは疑問が残るとし、放射能汚染による恐怖報道が過熱したために、放射線恐怖症が甲状腺腫瘍の発生を加速した可能性が高いとの見解を示している。ベラルーシのゴメリ州における発生異常については放射線の影響に否定的な見解で、本当に増えているなら、妊娠中のアルコール摂取で催奇性作用が常識として知られていることから、ウオッカの可能性が高いとしている。

原発事故後の本の改訂

『人は放射線になぜ弱いか』 はチェルノブイリ原発事故の起こる前年の1985年に、大阪大学を定年退職する記念として執筆し出版された。その後、1991年に出版された第2版では、サブタイトルを『弱くて強い生命の秘密』から『放射線恐怖症をやわらげる』に変更し、Ⅳ章の全面改訂を行ったほか、新たな章『Ⅵ章 原発事故放射能恐怖症に安らぎを』を設けて、チェルノブイリ事故に対する記述が加筆され、さらに、「序章 生命の根本をおそう放射線」、「序章 象牙の塔から市民の中へ―心の若返り」、「Ⅰ章 4節 チェルノブイリ原発事故」、「Ⅴ章 5節 ホルモンのような放射線のはたらき―ホルミシス効果」などが追加された。

1998年に出版された第3版『人は放射線になぜ弱いか 少しの放射線は心配無用』ではさらなる改訂が行われ、Ⅰ章2節「ジョン・ウェインの死」の削除、Ⅵ章8節「チェルノブイリの健康影響の一〇年後の真相」の追加など、ほかにも、全体的に大幅な加筆が行われている。章のタイトルも、第2版「Ⅲ章 人体は放射線になぜ弱いか」から第3版「Ⅲ章 人体は放射線に弱くて強い」へ、第2版「Ⅵ章 原発事故放射能恐怖症に安らぎを」から第3版「Ⅵ章 原発事故放射能にびくともしない人体」へと変更した。節のタイトルも、2版から3版への改訂では、Ⅱ章6節は「胎児期は放射線に弱い」から「胎児は放射線に弱いが少しならびくともしない」へ、Ⅱ章7節は「放射線による遺伝的影響」から「放射線による遺伝的影響は心配無用」などの変更が行われた。

ホルミシス議論の論点

放射線の影響に関する研究が進展したため、近藤のホルミシス説の論拠として採用されていた主張に対する知見に対して、新たな研究結果が報告されてきている。近藤の主張の論拠と、それに対する最近の知見の両論を併記し、主な議論の相違点と進捗状況を以下にまとめる。

  • 1987年に放射線影響研究所(放影研)の研究チームによって報告された原爆の影響研究から作成された図を見ると、100mGy以下であれば、放射線癌のリスクは存在しないことが示唆される。
    2003年に米国DOEの低線量放射線研究プログラムによる支援等を受けて、PNASに発表された論文によれば、人の癌リスクの増加の十分な証拠が存在するエックス線やガンマ線の最低線量は、疫学データに基づくと、瞬間的な被曝では、10-50mSv、長期被曝では50-100mSvであることが示唆されている。さらに低線量における癌リスクを推定する最適な方法は、中間から極低線量まで線形外挿が最適な方法のようであるとしている。瞬間的な被曝の研究として原爆の被曝影響における調査では、5-125mSv(平均34mSv)で固形癌死亡率の有意な増加、5-100mSv(平均29mSv)で癌罹患率の有意な増加を示している。
    2005年に国際がん研究機関のカーディスらによって発表された、15カ国の原子力産業の労働者、約40万人を対象にした後向きコホート研究(retrospective cohort study)による疫学調査によると、100mSv以下の低線量および低線量率の被曝における発癌の過剰リスク(excess risk)の存在を示唆する結果が報告されている。この調査では、原子力労働者全員が線量計を身につけて被曝線量を記録しているため、線量の推計に関してバイアスや不確実性の特定や定量化などの厳密な評価が可能となり、妥当性の評価の難しい比較的高線量の中性子や内部被曝の可能性のある被曝者を除外しているため、ここで得られた結果は系統的に線量の見積りに信頼性のある外部被曝のみに限定されてはいるが、被曝線量の推計に対する信頼性は非常に高い水準を確保している。
    一方で、ホルミシス研究の先駆者であるトーマス・ラッキーは許容値として年間1Gyを掲げており、これは100mGyのさらに十倍の値である。電力中央研究所の服部禎男は、「自然放射線の100 倍を自由に被ばくできる健康センター施設を全国につくりたい」とし、そのためにはリミットをトーマス・ラッキーの示した年間1Gyが適当であると主張している。服部によれば、放射線量率が毎時100mSv(あるいは毎時1Sv)以下では癌にならないとの学者の研究発表があるとしている。
  • 原子核物理学者バーナード・コーエンらによる米国の各郡ごとの生態学的研究(Ecological study)等によると、ラドンが肺癌の原因である直接の証拠は存在しない。
    2003年、世界保健機関(WHO)のチームによるメタアナリシスの結果によれば、屋内ラドンによるリスクは線量に依存し、時間加重平均暴露値として150 Bq/mあたり24 %の肺癌リスクの有意な増加を示唆した。
    2004年に英国の疫学者サラ・ダービー(Sarah Darby)らによって発表された欧州9ヶ国の13の症例対照研究を対象にしたプール解析の結果は、線量応答反応はLNTモデルに従っており、200 Bq/m以下のラドン濃度においても統計学的に有意な正の値で、100 Bq/m(ランダム誤差を調整した暴露推定値)あたり16 %の肺癌リスクの増加を示した。対象には、喫煙歴の有無が分からないものは除外され、ここ30年間のラドン測定がされていないものも除外されている。
  • 台湾では1982年から1984年に放射性物質であるコバルト60が建築資材に混入し学校やアパートの鉄筋に用いられ、約1万人が長期にわたって被曝したが、2004年に第14回環太平洋国際会議(PBNC)において発表された調査結果によると、1983–2002年の期間におけるアパートの居住者の癌死の発生は、台湾の一般公衆の自然発生的な癌死の発生のおよそ3%にまで激減し、先天性奇形も、一般人の発生のおよそ7%と劇的な低下を示した。従って、低線量慢性被曝は癌死亡を劇的に予防する。論文は2007年に「Dose Response」誌に掲載された。
    2008年に発表された疫学調査の結果によると、追跡期間を1983-2005年、症例は国立癌登録で特定、各個人の行動様式から個人線量を推定、住民の受けた平均被曝線量は48mGy(中央値6.3mGy)とし、比例ハザードモデル(Proportional hazards model)を用いた解析から、慢性リンパ球性白血病を除いた白血病で、100mGyあたり1.19(95%CI 1.01–1.31)のハザード比(Hazard ratio)の有意な増加が観測され、乳癌で、100mGyあたり1.12(90%CI 0.99–1.21)のハザード比の増加傾向が観測されている。
    民生マンションの被曝住民は、台湾原子力委員会を相手に起訴を起こし裁判が行われている。
  • 原爆による被曝影響では白血病の発症が被曝から5年から10年後と早期の発症が確認されているが、Ivanov et al.(1996)の研究によると、1982年から1994年にかけて、チェルノブイリでは小児の白血病に対する顕著な傾向が見られない。原発事故で放射能を被曝したとしても、子どもの白血病の心配は無用である確証が得られた。
    2011年に公表されたUNSCEAR 2008では、小児白血病に関して、 Noshchenko et al. (2002)による1987年から1997年の期間を対象としたウクライナにおける小児白血病の研究が紹介されたが、Davisらの研究によると、ウクライナ以外では有意な関連が見られず、線量が非常に低いために、統計的検出力が小さいとしている。UNSCEAR 2008では、2008年度までの知見に基づいていたが、その後、2010年には、10mGy以上の被曝に対して、5歳未満時における小児の白血病のリスクに関して有意であるとする研究が報告されている。
  • 長崎市への原子爆弾投下で、1970-1988年の統計データを用いた結果、0.5~1Gyの範囲で被曝した男性被曝者は長生き効果が与えられた。
    2011年に発表された総説において、放影研の研究チームは寿命の短縮(Life Span Shortening)という節を設けて解説を行っており、原爆被爆者の平均余命は、被曝線量の増加に伴い、1Gyあたり約1.3年の短縮となり、1Gyの被曝時における平均余命の全損失に占める割合は、固形癌が約60%、癌以外の疾病が約30%、白血病が約10%と見積られている。
    近藤の用いた手法は全体から特定部分のみのデータを用いるチェリー・ピッキング行為など、恣意的なデータ選択が指摘され、そのような特殊な選択を行わない場合、0.5-0.99Gyの線量での相対リスクの減少は見られず、むしろ増加を示している。
  • 中国広東省陽江県には、自然放射線の高い地域があるが、1970~1986年間にわたる調査の結果、対照とした周辺地域に比べて、癌死亡率の低い傾向にあることが分かった 。
    調査期間を延長して調べた結果、対照とした周辺地区と高自然放射能地区の間で、癌死亡率の差は見られなかった。

研究・著作

  • 近藤宗平『分子放射線生物学 放射線は生命にどうはたらくか』東京大学出版会、1972年。ASIN B000JA2MNE
  • 近藤宗平『生命を考える―遺伝子・進化・放射線』岩波書店 岩波現代選書―NS、1982年1月。ASIN B000J7REK8
  • 近藤宗平『人は放射線になぜ弱いか 弱くて強い生命の秘密』講談社 ブルーバックス B-634、1985年12月、第1版。ISBN 4061326341。
近藤宗平『人は放射線になぜ弱いか 放射線恐怖症をやわらげる』講談社 ブルーバックス B-860、1991年3月、改訂新版。ISBN 4061328603。
近藤宗平『人は放射線になぜ弱いか 少しの放射線は心配無用』講談社 ブルーバックス B-1238、1998年12月、第3版。ISBN 4062572389。
  • 近藤宗平『低線量放射線の健康影響』近畿大学出版局; 紀伊國屋書店、2005年11月。ISBN 487738233X。

出典・引用

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  12. ^ Sohei Kondo (1993). Health Effects of Low Level Radiation. 0saka: Kinki University Press. ISBN 094483843X 
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  35. ^ 清水由紀子, 加藤寛夫ほか (1987). “寿命調査:第11報 第1部 DS86およびT65DRの遮蔽kermaならびに臓器線量に基づく部位別癌死亡リスク係数の比較”. 放影研業績報告 (放射線影響研究所). http://www.rerf.or.jp/library/scidata/lssrepor/tr12-87.htm. 
  36. ^ 近藤宗平『人は放射線になぜ弱いか 第3版 (ブルーバックス)』講談社、1998年12月、77頁。ISBN 4062572389。
  37. ^ David J. Brenner et al. (2003). “Cancer risks attributable to low doses of ionizing radiation: Assessing what we really know”. PNAS 100 (24):13761-13766. doi:10.1073/pnas.2235592100. http://www.pnas.org/content/100/24/13761.full. "This work was supported in part by the U.S. Department of Energy Low-Dose Radiation Research Program." 
  38. ^ 翻訳:調麻佐志, 【翻訳論文】「低線量被ばくによるがんリスク:私たちが確かにわかっていることは何かを評価する」PNAS(2003), “海外癌医療情報リファレンス”, 一般社団法人 サイエンス・メディア・センター, http://smc-japan.org/?p=2037 2011年8月26日閲覧。 
  39. ^ David J. Brenner et al. (2003). “Cancer risks attributable to low doses of ionizing radiation: Assessing what we really know”. PNAS 100 (24):13761-13766. doi:10.1073/pnas.2235592100. http://www.pnas.org/content/100/24/13761.full. "First, what is the lowest dose of x- or γ-radiation for which good evidence exists of increased cancer risks in humans? The epidemiological data suggest that it is ≈10–50 mSv for an acute exposure and ≈50–100 mSv for a protracted exposure." 
  40. ^ David J. Brenner et al. (2003). “Cancer risks attributable to low doses of ionizing radiation: Assessing what we really know”. PNAS 100 (24):13761-13766. doi:10.1073/pnas.2235592100. http://www.pnas.org/content/100/24/13761.full. "Second, what is the most appropriate way to extrapolate such cancer risk estimates to still lower doses? Given that it is supported by experimentally grounded, quantifiable, biophysical arguments, a linear extrapolation of cancer risks from intermediate to very low doses currently appears to be the most appropriate methodology. This linearity assumption is not necessarily the most conservative approach, and it is likely that it will result in an underestimate of some radiation-induced cancer risks and an overestimate of others." 
  41. ^ David J. Brenner et al. (2003). “Cancer risks attributable to low doses of ionizing radiation: Assessing what we really know”. PNAS 100 (24):13761-13766. doi:10.1073/pnas.2235592100. http://www.pnas.org/content/100/24/13761.full. "Fig. 2 shows low-dose risk estimates (2) for solid-cancer mortality in the atomic bomb survivors (1950–1997). The individuals in the dose category from 5 to 125 mSv (mean dose, 34 mSv) show a significant (P = 0.025) increase in solid-cancer-related mortality. It is possible that bias exists in these low-dose cancer-mortality risk estimates; for example, individuals nearer the blast might be more likely to have cancer recorded on their death certificates. Less potential for such bias exists in the cancer incidence studies, and the atomic bomb survivors in the dose range from 5 to 100 mSv (mean dose, 29 mSv) show a significantly increased incidence of solid cancer (P = 0.05) compared with the population who were exposed to <5 mSv (12)." 
  42. ^ E Cardis et al. (2005). “Risk of cancer after low doses of ionising radiation: retrospective cohort study in 15 countries”. British Medical Journal 331 (7508):77-80. doi:10.1136/bmj.38499.599861.E0. http://www.bmj.com/content/331/7508/77.full?ehom. "These results suggest that an excess risk of cancer exists, albeit small, even at the low doses and dose rates typically received by nuclear workers in this study." 
  43. ^ E Cardis et al. (2005). “Risk of cancer after low doses of ionising radiation: retrospective cohort study in 15 countries”. British Medical Journal 331 (7508):77-80. doi:10.1136/bmj.38499.599861.E0. http://www.bmj.com/content/331/7508/77.full?ehom. "A study of errors in recorded doses evaluated the comparability of dose estimates across facilities and time and identified and quantified sources of bias and uncertainties." 
  44. ^ E Cardis et al. (2005). “Risk of cancer after low doses of ionising radiation: retrospective cohort study in 15 countries”. British Medical Journal 331 (7508):77-80. doi:10.1136/bmj.38499.599861.E0. http://www.bmj.com/content/331/7508/77.full?ehom. "The adequacy of practices and technology to measure and record dose from other radiation types (neutrons, internal exposures), however, varied substantially, particularly in earlier years. We therefore excluded workers with potential for substantial doses (≥ 10% of their whole body dose) from these radiation types." 
  45. ^ E Cardis et al. (2005). “Risk of cancer after low doses of ionising radiation: retrospective cohort study in 15 countries”. British Medical Journal 331 (7508):77-80. doi:10.1136/bmj.38499.599861.E0. http://www.bmj.com/content/331/7508/77.full?ehom. "Reliable estimates of dose were systematically available only for external exposure to higher energy photons so our results are restricted to workers exposed mainly to these radiation types." 
  46. ^ 赤羽恵一 (1999), 低線量放射線影響に関する公開シンポジウム「放射線と健康」印象記, “日本保健物理学会 NewsLetter”, 日本保健物理学会 (日本保健物理学会) 19:8, http://wwwsoc.nii.ac.jp/jhps/j/newsletter/pdf/n19.pdf 2011年8月26日閲覧, "また、Luckey 氏の線量応答曲線は、ホルミシスは全身照射が自然放射線レベルから 10Gy/y の間で生じ、許容値は「保守的に」1Gy/y としているが、これは、既存の放射線影響の報告とかけ離れた数値である。" 
  47. ^ 赤羽恵一 (1999), 低線量放射線影響に関する公開シンポジウム「放射線と健康」印象記, “日本保健物理学会 NewsLetter”, 日本保健物理学会 (日本保健物理学会) 19:8, http://wwwsoc.nii.ac.jp/jhps/j/newsletter/pdf/n19.pdf 2011年8月26日閲覧, "さらに、服部氏からは「自然放射線の100 倍を自由に被ばくできる健康センター施設を全国につくりたい」という発言があった。それを作るためにはリミットは Luckey 氏の示す 1Gy/y が適当である、と主張する。" 
  48. ^ 服部禎男元電力中央研究所名誉特別顧問と意見交換, “一般財団法人 国家基本問題研究所”, 一般財団法人 国家基本問題研究所, http://jinf.jp/news/archives/4873 2011年8月26日閲覧, "服部氏は「国際放射線防護委員会(ICRP)の放射能安全基準はDNAの修復機能を無視している」と批判し、「がんはDNAの異常から発生するが、放射線量率が毎時10 ミリシーベルト(mSv)以下ならDNAは完全修復し、毎時100 mSv(あるいは毎時1000 mSv)以下ではがんにならないという学者の研究発表がある」と説明しました。" 
  49. ^ 近藤宗平『人は放射線になぜ弱いか 第3版 (ブルーバックス)』講談社、1998年12月、233-234頁。ISBN 4062572389。
  50. ^ Maria Pavia et al. (2003). “Meta-analysis of residential exposure to radon gas and lung cancer”. Bulletin of the World Health Organization 81 (10):732-738. doi:10.1590/S0042-96862003001000008. http://www.who.int/bulletin/volumes/81/10/Pavia1003.pdf. "Our meta-analysis suggests a significantly increased risk of lung cancer in people exposed to radon gas in their homes. This association seems to be dose related, and an increase of 24% in the risk of lung cancer was found at a time-weighted mean exposure of 150 Bq/m." 
  51. ^ Sarah Darby et al. (2004). “Radon in homes and risk of lung cancer: collaborative analysis of individual data from 13 European case-control studies”. British medical journal 330 (7485):223-227. doi:10.1136/bmj.38308.477650.63. http://www.bmj.com/content/330/7485/223.full. "This corresponds to an increase of 16% (5% to 31%) per 100 Bq/m increase in usual radon—that is, after correction for the dilution caused by random uncertainties in measuring radon concentrations. The dose-response relation seemed to be linear with no threshold and remained significant (P = 0.04) in analyses limited to individuals from homes with measured radon < 200 Bq/m." 
  52. ^ Sarah Darby et al. (2004). “Radon in homes and risk of lung cancer: collaborative analysis of individual data from 13 European case-control studies”. British medical journal 330 (7485):223-227. doi:10.1136/bmj.38308.477650.63. http://www.bmj.com/content/330/7485/223.full. "We excluded individuals for whom no radon measurements for this 30 year period were available or with unknown smoking status." 
  53. ^ 輪嶋隆博 (2008). “放射線被ばくの説明の知恵 –「しきい値なし直線仮説」LNT:Linear No threshold Theoryを検証する–”. 日本放射線技術学会雑誌 (公益社団法人 日本放射線技術学会) 64 (11):1404-1409. doi:10.6009/jjrt.64.1404. "近藤教授が国際専門誌に掲載された最近の疫学調査の論文やレポートをまとめて紹介しておられるので、一部を転用する。…(中略)…台湾の一般人のがん死亡率が1983年以降毎年増加の傾向を示すのに、被ばくした住民群では1983年以降激減の傾向をたどった。これが事実であるならば低線量慢性被ばくは、がん死亡を劇的に予防することを意味する。" 
  54. ^ “Editorial Board/Masthead”, Dose-Response, Assessing the Nature, Mechanisms, and Implications of Dose-Response Relationships: Welcome, Dose-Response, http://dose-response.com/pdf/FrontMatter.pdf 2011年8月26日閲覧。 
  55. ^ Janet Raloff PDF Cite 概要の紹介 (2007). “Counterintuitive toxicity: Increasingly, scientists are finding that they can't predict a poison's low-dose effects”. Science News 171 (3):40–42. doi:10.1002/scin.2007.5591710310. 
  56. ^ 訳:安間武 (掲載日:2005年10月1日). “公衆の健康政策決定のためのホルミシスは基本的に欠陥がある”. 化学物質問題市民研究会. 2011年8月27日閲覧。 “キャラブレスらがこの資金提供の結果、研究を歪めたという証拠はないが、彼らの文献の主な調査が統計的な有意さに基づく基準を用いていないことは不適切である。一方、彼らの研究を政策提言にまとめるやり方には明らかに偏向がある。まず簡単に低用量刺激の有害影響を認めるが、それからホルメティック概念を規制に適用することを主張するというやり方で基準をより緩和する方向に導く。 毒物学的論文に関する最近のふたつの調査は資金供与源が研究結果に非常に強く影響を与えるということを示している。カエルの発達に与えるアトラジンの影響に関する研究、及び、ビスフェノールAの低用量影響に関する研究においては、研究結果に強い経済的利害を持つところからの資金供与はその研究結果が都合が良い方向に強くバイアスをかけている。同様なことがホルミシス研究において起きているかどうか調査中である。”
  57. ^ W.L. Chen et al. (2007). “Effects of Cobalt-60 Exposure on Health of Taiwan Residents Suggest New Approach Needed in Radiation Protection”. Dose Response 5 (1):63–75. doi:10.2203/dose-response.06-105.Chen. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2477708/. "On the contrary, the incidence of cancer deaths in this population was greatly reduced—to about 3 per cent of the incidence of spontaneous cancer death in the general Taiwan public. In addition, the incidence of congenital malformations was also reduced—to about 7 per cent of the incidence in the general public." 
  58. ^ Su-Lun Hwang et al. (2008). “Estimates of relative risks for cancers in a population after prolonged low-dose-rate radiation exposure: a follow-up assessment from 1983 to 2005”. Radiation Research 170 (2):143-148. doi:10.1667/RR0732.1. http://www.rrjournal.org/doi/abs/10.1667/RR0732.1. "Cases were identified from Taiwan's National Cancer Registry. Radiation effects on cancer risk were estimated using proportional hazards models and were summarized in terms of the hazard ratio associated with a 100-mGy increase in dose (HR100mGy). A significant radiation risk was observed for leukemia excluding chronic lymphocytic leukemia (HR100mGy 1.19, 90% CI 1.01–1.31). Breast cancer exhibited a marginally significant dose response (HR100mGy 1.12, 90% CI 0.99–1.21)." 
  59. ^ 台湾・放射能汚染マンション被害者訴訟報告”. No Nukes Asia Forum 通信 (1998年1月18日). 2011年5月28日閲覧。
  60. ^ E. P. Ivanov et al. (1996). “Childhood leukemia in Belarus before and after the Chernobyl accident”. Radiation and Environmental Biophysics 35 (2):75-80. doi:10.1007/BF02434028. 
  61. ^ 近藤宗平『人は放射線になぜ弱いか 第3版 (ブルーバックス)』講談社、1998年12月、77頁。ISBN 4062572389。
  62. ^ 近藤宗平『人は放射線になぜ弱いか 第3版 (ブルーバックス)』講談社、1998年12月、244頁。ISBN 4062572389。
  63. ^ United Nations Scientific Committee on the Effects of Atomic Radiation (2011). “Annex D. Health effects due to radiation from the Chernobyl accident”. Sources and Effects of Ionizing Radiation, UNSCEAR 2008 Report vol. II: Effects, Report to the General Assembly Scientific Annexes C, D and E. New York: United Nations. pp. 172-173. ISBN 978-92-1-142280-1. http://www.unscear.org/docs/reports/2008/11-80076_Report_2008_Annex_D.pdf 
  64. ^ Andriy G. Noshchenko et al. (2010). “Radiation-induced leukemia among children aged 0-5 years at the time of the Chernobyl accident”. International Journal of Cancer 127 (2):412–426. doi:10.1002/ijc.24834. http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/ijc.24834/full. 
  65. ^ 近藤宗平『人は放射線になぜ弱いか 第3版 (ブルーバックス)』講談社、1998年12月、232頁。ISBN 4062572389。
  66. ^ Evan B. Douple et al. (2011). “Long-term Radiation-Related Health Effects in a Unique Human Population: Lessons Learned from the Atomic Bomb Survivors of Hiroshima and Nagasaki”. Disaster Medicine and Public Health Preparedness 5 (1):S122-S133. http://www.dmphp.org/cgi/content/full/5/Supplement_1/S122. "Life Span Shortening. Median life expectancy decreased with increasing doses at a rate of about 1.3 years/Gy, but declined more rapidly at high doses." 
  67. ^ Evan B. Douple et al. (2011). “Long-term Radiation-Related Health Effects in a Unique Human Population: Lessons Learned from the Atomic Bomb Survivors of Hiroshima and Nagasaki”. Disaster Medicine and Public Health Preparedness 5 (1):S122-S133. http://www.dmphp.org/cgi/content/full/5/Supplement_1/S122. "It was estimated that at 1 Gy, the proportion of total life lost was roughly 60% from solid cancer, 30% from diseases other than cancer, and 10% from leukemia." 
  68. ^ ロバート・アーリック『トンデモ科学の見破りかた もしかしたら本当かもしれない9つの奇説』草思社、2004年2月、98-100頁。ISBN 4794212828。「ここで統計的に有意であると主張することの主たる統計的誤りは、統計的に有意とみなすためにどれだけ多くの標準偏差(x±nσ)を選んだかということにではなく、自分が探し求めているまさに当の効果を増幅させるために、全体的なデータのなかから特定の部分データを恣意的に選んで使っていることにある。」
  69. ^ ロバート・アーリック『トンデモ科学の見破りかた もしかしたら本当かもしれない9つの奇説』草思社、2004年2月、100頁。ISBN 4794212828。「たとえば、なぜ癌以外の病気の死亡率だけを考慮するのか?なぜ男性だけを考慮するのか?なぜ一九七〇〜一九八八年のあいだだけの死亡を考慮するのか?なぜ広島ではなく長崎だけの被爆者を考慮するのか?その答えは、こうした特殊な選択をおこなわないかぎり、そのような効果は見られないからである。実際に、女性に関するデータ、癌による死亡についてのデータ、あるいは一九七〇〜一九八八年以外の年における死亡のデータを調べてみれば、五〇〜九九センチグレイの線量での相対危険度の減少は存在しない(むしろ増加している)。」
  70. ^ 近藤宗平 (2007年4月号). “放射線の功罪 - 放射線の危険性に対する防御 -”. Isotope News. p. 14. 2011年8月27日閲覧。
  71. ^ 近藤誠『放射線被ばく CT検査でがんになる』亜紀書房、2011年6月、161-162頁。ISBN 4750511137。「論文で最初に紹介し、ホルミシスの根拠としているのは、中国のある地域は、自然放射線量が周辺地域より低い、という疫学研究です。しかしこの研究は、調査期間を延ばしたところ、がん死率は周辺地域と変わりがなくなってしまった(元の論文は入手しにくいので、J Radiol Prot 2009;29:A29を参照した)。」

脚注

  1. ^ 現在ではRadioactive quackeryと揶揄的に呼ばれることもあるが、アメリカでは1920年代から1930年代初頭にかけて、放射線が健康によいとするブームにのり、ラジウム入りの軟膏、化粧クリーム、歯磨き粉、チョコレートバー、石鹸などが販売されたこともあった。1960年代にはペンシルベニア州の薬局からラジウムの入ったホメオパシーのレメディーが流通したこともあった。
  2. ^ シンポジウムの後援は、RSHの他に、日本原子力学会、日本放射線影響学会、日本保健物理学会、放射線影響協会、原子力安全研究協会、体質研究会、原子力発電技術機構、日本原子力産業会議、日本原子力文化振興財団、日本電機工業会、電力中央研究所。
  3. ^ 「International Dose-Response Society」(国際ホルミシス学会, 2005年発足)の発行する「Dose Response」誌の2011年現在の編集長は、マサチューセッツ大学のホルミシス研究者、エドワード・キャラブレス(Edward J. Calabrese)とバーバラ・キャラハン(Barbara G. Callahan)がつとめる。編集委員には規制当局側のEPAやFDAの他に、ダウ・ケミカルやR.J.レイノルズ・タバコ・カンパニー、シンジェンタ(Syngenta Central Toxicology Laboratory)などの企業からも受け入れている。共同編集者にはモンサント社や米国エネルギー省、 アメリカ空軍などのメンバーも含む。編集長のキャラブレスは、化学物質に対して、高用量で有害な影響を持つものでも、低用量では有益な影響を有するホルミシス効果があるとして、低用量で有益なら厳しい規制の必要性はなく、健康基準に関しても緩和すべきだとの主張を行っているため批判もある。キャラブレスの研究は、国防省から研究資金を受けているとの指摘もある。

関連項目

  • ホルミシス効果
  • 放射線恐怖症
  • 酒井一夫
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