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Japan
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Kuninobu Noro
Japanese novelist

Kuninobu Noro

The basics

Quick Facts

Intro
Japanese novelist
Places
Work field
Gender
Male
Place of birth
Nagasaki, Japan
Age
42 years
Awards
Akutagawa Prize
(1973)
The details (from wikipedia)

Biography

野呂 邦暢(のろ くにのぶ、1937年(昭和12年)9月20日 - 1980年(昭和55年)5月7日)は、日本の小説家。長崎県長崎市出身。本名は納所邦暢(のうしょ くにのぶ)。自らの自衛隊体験や、戦後住んだ諫早市を舞台にした小説・随筆を数多く残した。

生涯

長崎市岩川町に土建業を営む両親のもとに、6人兄弟の次男として生まれる。1945年銭座国民学校2年の時に父が応召したため、母の実家で祖母と叔父の住む諫早市に疎開。長崎の原爆投下で爆発を目撃、この被害により長崎市に残した家財一切を失い、戦後も諫早に住む。1950年北諫早中学校に入学。1953年諫早高校に入学し、美術部に入部、文学や芸術一般に興味を持つ。1956年京都大学文学部を受験するが失敗し、予備校に通うために京都市に下宿するが、父が事業に失敗し入院したため帰郷。進学を諦めてその秋に東京に出て、上野近くのガソリンスタンドの店員となり、その後喫茶店やラーメン屋など職を転々とする。

体を壊して帰郷し、1957年に佐世保陸上自衛隊入隊。7月に諫早大水害が起きたために3日の休暇をもらって自宅に帰ると、氾濫した本明川沿いにあった自宅は全壊していた。訓練の後に北海道北部方面隊に配属され、1958年に除隊し諫早に帰郷、家庭教師などで生計を立て、この頃諫早生まれの詩人伊東静雄に影響を受け、詩作を試みる。1962年に『日本読書新聞』20周年記念論文に応募し、ルポタージュ「兵士の報酬-第八教育隊」が入選し、新聞に掲載される。その後小説を書き始め、1964年『自由』誌に短編「双頭の鷲のもとに」を応募するが入選せず。1965年に『日本読書新聞』に岡村昭彦『南ベトナム従軍記』の書評が掲載、「ある男の故郷」にて第21回文學界新人賞佳作となり小説家デビュー。1966年に「双頭の鷲のもとに」を原型とした「壁の絵」を発表し、芥川賞候補となる。1967年に「白桃」で芥川賞候補。1968年発表の「十一月」が、『毎日新聞』文芸時評で平野謙によりその年のベスト3に挙げられた。

1969年諫早市の成人大学で文学講座を担当。1970年鎮西学院短期大学で文学講座を担当。1971年結婚、この頃NHK福岡放送局のラジオドラマの原作を書いていた。1972年芥川賞候補。1973年に最初の作品集『十一月 水晶』刊行、「鳥たちの河口」で芥川賞候補、伊東静雄を偲ぶ菜の花忌で講演、長崎大学付属病院で胆嚢の手術を受ける。また「諫早の自然を守る会」の代表となり、諫早湾干拓事業に反対の立場を示す。

1973年に自らの自衛隊員としての体験を基にした作品『草のつるぎ』が文芸誌『文學界』12月号に掲載され、この作品で翌1974年(昭和49年)第70回芥川賞受賞。

歴史にも関心を持ち、『諫早菖蒲日記』(1977年)などの歴史小説、また集英社コバルトシリーズで少女小説『文彦のたたかい』(1978年)などを執筆。1979年に離婚。

1980年5月7日、諫早市の自宅で自害した。42歳没。戒名は恭徳院祐心紹泰居士。諫早市金谷町公有墓地の納所家の墓に埋葬される。毎年5月最終日曜日には、野呂を偲び、諌早市上山公園の文学碑の前で「菖蒲忌」が行われる。

1952年15歳の頃から太平洋戦争の戦記を蒐集し始め、1975年から自衛隊員向け会誌『修親』に『失われた兵士たち-戦争文学試論』を連載、唯一の評論となっている。

6000冊の蔵書や自筆原稿は母親から諫早市に寄贈された。1986年に諫早上山公園に野呂邦暢文学碑が建立される。2001年には新諫早図書館に「野呂邦暢ー人と文学」常設展示コーナーが設置された。なお、芥川受賞作『草のつるぎ』の直筆原稿は没後に古書店を転々としていたが、2014年に長崎県立長崎図書館が購入し所蔵している。

作品

  • 『十一月 水晶』冬樹社、1973/改題『壁の絵』角川文庫、1977
    • 収録作品:十一月 / 水晶 / 日常 / 朝の光は… / 白桃 / 日が沈むのを / 壁の絵
  • 『海辺の広い庭』文藝春秋、1973/『海辺の広い庭』角川文庫、1978
    • 収録作品:海辺の広い庭 / 不意の客 / 歩哨 / 狙撃手 / 或る男の故郷
  • 『鳥たちの河口』文藝春秋、1973/集英社文庫、1978
    • 収録作品:鳥たちの河口 / 四時間 / 世界の終り / ロバート / 棕櫚の葉を風にそよがせよ
  • 『日が沈むのを』有光株式会社、1974
  • 『草のつるぎ』文藝春秋、1974/文春文庫、1978
    • 収録作品:草のつるぎ / 砦の冬
  • 『冬の皇帝』鶴声居、1975
  • 『恋人』鶴声居、1975
  • 『一滴の夏』文藝春秋、1976/集英社文庫、1980
    • 収録作品:恋人 / 隣人 / 八月 / 高く跳べ、パック / 鳩の首 / 冬の皇帝 / 一滴の夏
  • 『ふたりの女』集英社、1977
    • 収録作品:ふたりの女 / 伏す男 / 回廊の夜 / とらわれの冬
  • 『王国そして地図』集英社、1977
  • 『諫早菖蒲日記』文藝春秋、1977/文春文庫、1985/梓書院、2010(新版)
  • 『失われた兵士たち 戦争文学試論』芙蓉書房、1977(新版1983)/『戦争文学試論』芙蓉書房出版、2002
    • 『失われた兵士たち 戦争文学試論』文藝春秋〈文春学藝ライブラリー〉、2015
  • 『猟銃』集英社、1978
    • 収録作品:五色の髭 / 歯 / もうひとつの絵 / 蟹 / 朝の声 / 部屋 / 靴 / 猟銃
  • 『文彦のたたかい』集英社文庫コバルトシリーズ、1978
    • 収録作品:文彦のたたかい / うらぎり / 真夜中の声 / 弘之のトランペット / 公園から帰る
  • 『水瓶座の少女』集英社文庫コバルトシリーズ、1979
  • 『古い革張椅子』集英社、1979
  • 『地峡の町にて』沖積舎、1979
  • 『愛についてのデッサン-佐古啓介の旅』角川書店、1979/みすず書房〈大人の本棚〉、2006 
  • 『落城記』文藝春秋、1980/文春文庫、1984。西郷信尚の一族の滅亡を描いた遺作でドラマ化
  • 『丘の火』文藝春秋、1980
  • 『小さな町にて』文藝春秋、1982
  • 『野呂邦信・長谷川修往復書簡集』陸封魚の会編、葦書房、1990 
  • 『野呂邦暢作品集』文藝春秋、1995
  • 『草のつるぎ・一滴の夏 野呂邦暢作品集』講談社文芸文庫、2002、他3篇
    • 収録作品: 狙撃手 / 白桃 / 日が沈むのを / 草のつるぎ / 一滴の夏
  • 『夕暮の緑の光 野呂邦暢随筆選』岡崎武志編、みすず書房〈大人の本棚〉、2010
  • 『白桃 野呂邦暢短篇選』豊田健次編、みすず書房〈大人の本棚〉、2011
    • 収録作品: 白桃 / 歩哨 / 十一月 / 水晶 / 藁と火 / 鳥たちの河口 / 花火
  • 『野呂邦暢 随筆コレクション1 兵士の報酬』みすず書房、2014
  • 『野呂邦暢 随筆コレクション2 小さな町にて』みすず書房、2014
  • 『野呂邦暢小説集成』文遊社(全9巻)、監修:豊田健次、全巻解説:中野章子
  1. 『棕櫚の葉を風にそよがせよ』2013 - エッセイ:青来有一]
    収録作品: 棕櫚の葉を風にそよがせよ / 或る男の故郷 / 狙撃手 / 白桃 / 歩哨 / ロバート / 竹の宇宙船 / 世界の終り / 十一月 / ハンター / 壁の絵
  2. 『日が沈むのを』2013 - エッセイ:宮原昭夫
    収録作品: 不意の客 / 朝の光は…… / 日常 / 水晶 / 赤い舟・黒い馬 / 日が沈むのを / 柳の冠 / 四時間 / 鳥たちの河口 / 海辺の広い庭
  3. 『草のつるぎ』2014 - エッセイ:堀江敏幸
    収録作品: 草のつるぎ / 砦の冬 / 水辺の町 (「仔鼠」、「蝉」、「落石」、「蛇」、「再会」) / 五色の髭 / 八月 / 隣人 / 恋人 / 一滴の夏
  4. 『冬の皇帝』2014 - エッセイ:川本三郎
    収録作品: 飛ぶ少年 / 剃刀 / 冬の皇帝 / 高く跳べ、パック / 穴 / もうひとつの絵 / 鳩の首 / 蟹 / 失踪者 / 魔術師たち / 回廊の夜 / 敵 / まさゆめ / 朝の声 / 歯 / とらわれの冬
  5. 『諫早菖蒲日記・落城記』2015 - エッセイ:池内紀
    収録作品: 諫早菖蒲日記 / 花火 / 落城記 / 死人の首 / 筑前の白梅 / 不知火の梟雄 / 平壌の雪
  6. 『猟銃・愛についてのデッサン』2016 - エッセイ:福間健二
    収録作品: ある殺人 / 伏す男 / ふたりの女 / 縛られた男 / 部屋 / 靴 / 猟銃 / まぼろしの御嶽 / ぼくではない / 彼 / 赤い鼻緒 / 馬 / ドアの向う側 / 運転日報 / 天使 / 愛についてのデッサン―佐古啓介の旅ー
  7. 『水瓶座の少女』2016 - エッセイ:坪内祐三
    収録作品: 水瓶座の少女 / 文彦のたたかい / うらぎり / 真夜中の声 / 弘之のトランペット / 公園から帰る / 島にて / 顔 / 飛ぶ男 / 水のほとり / ドライヴインにて / 赤毛 / 神様の家 / 黒板 / 公園の少女 / 水の町の女 / 幼な友達 / ホクロのある女 / 水の中の絵馬
  8. 『丘の火』2017 - エッセイ:陣野俊史
    収録作品: 藁と火 / 青葉書房主人 / 廃園にて / 足音 / 丘の火
  9. 『夜の船』2018 - エッセイ:紀田順一郎
    収録作品: 地峡の町にて / 夜の船 / 海と河口 / 夕暮れ / 田原坂 / 解纜のとき / 名医 / 丘の家

  1. ^ “野呂邦暢の直筆原稿を初公開 芥川賞受賞作、県立長崎図書館”. 西日本新聞. (2015年11月12日). http://www.nishinippon.co.jp/nnp/nagasaki/article/206822 2015年11月13日閲覧。 
  2. ^ 岩井寛『作家の臨終・墓碑事典』(東京堂出版、1997年)258頁
  3. ^ 大澤信亮「解説」(『失われた兵士たち-戦争文学試論』文春学藝ライブラリー 2015年)
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