Kenji Teraoka
Quick Facts
Biography
寺岡 寛治(てらおか かんじ、1992年12月3日 - )は、福岡県糟屋郡粕屋町出身の元プロ野球選手(投手)。右投右打。
経歴
プロ入り前
粕屋町立粕屋西小学校では内橋ジュニアスラッガーズでソフトボールをプレーし、粕屋町立粕屋東中学校から福岡粕屋ボーイズで野球を始める。
東海大学付属第五高等学校(現・東海大学付属福岡高等学校)の2年春には投手として149km/hをマークするまでに成長したが、右肘を疲労骨折したことで外野手に転向。3年夏の福岡県大会では左翼手として出場し、準々決勝でサヨナラの適時二塁打を放つなど、チームのベスト4進出に貢献した。
九州共立大学では右肘を手術し、3年時までリハビリに専念。4年春から外野手として公式戦に出場すると、同季は打率.371をマークしてベストナインを受賞した。
九州三菱自動車には外野手として入社したが、寺岡の強肩と投手経験を知った投手コーチの山内孝徳の指示で投球練習を再開。すぐさまオープン戦で150km/hを計測したため、以降は主に外野手とリリーフの二刀流でプレーを続けた。NPB入りを目指す上で、山内からの「上を目指すならピッチャーが近道」という進言と、寺岡自身の「育成枠であってもまずは入ること」という考えから、投手への専念と独立リーグへの挑戦を決意。「正社員なんだから今更プロ野球選手を目指さなくても」という家族の反対を押し切って、九州三菱自動車を2年で退社し、特別合格枠で石川ミリオンスターズに入団した。
石川時代
石川では1年目からチームの開幕投手に抜てきされ、その後はセットアッパーに定着。43試合に登板して防御率1.52の好成績を残し、NPBの9球団からスカウトが視察に訪れるまでに評価を高めた。
2017年のドラフト会議で東北楽天ゴールデンイーグルスから7位指名を受け、契約金2000万円、年俸600万円で契約に合意。背番号は56。
楽天時代
2018年の春季キャンプでは、新人ながら一軍スタートとなったが、一軍での登板はなく、シーズン終了後に戦力外通告を受けた。その後育成選手として再契約した。背番号は056。
2019年は二軍で33試合に登板して2勝1敗、防御率0.64と好調をキープし、7月28日に支配下選手として登録されたことが球団から発表された。新しい背番号は68。8月4日の千葉ロッテマリーンズ戦の7回にプロ初登板を果たし、8回までの2イニングは無失点に抑えたが、9回に代打の清田育宏に3ランを浴びた。一軍での登板はこの1試合にとどまった。二軍では51試合に登板した。
2020年は中継ぎとして自己最多となる24試合に登板し、2勝1敗10ホールド、防御率3.15という成績を残した。9月13日の北海道日本ハムファイターズ戦ではプロ初勝利を挙げた。
2021年は一軍での登板は無かった。二軍では33試合に登板し、3勝1敗、防御率5.47という成績だった。
2022年は二軍で27試合に登板し、1勝1敗、防御率2.19と好投したが、この年も前年に引き続き一軍登板がなかった。10月22日に戦力外通告を受けた。
現役引退後
2023年1月19日、現役を引退し、イーグルスアカデミーのコーチに就任することが発表された。
プレースタイル・人物
最速155km/hのストレートに加え、カットボールやフォークなどの変化球を武器とする。追い込んでからは必ず三振を狙いに行くスタイルで、石川時代は59回1/3を投げて82個の三振を奪うなど、奪三振率が高い。自ら「毛の生えた心臓」と表現するように度胸の良さと、常に全力投球で闘志を前面に出した投球を持ち味としており、石川時代の総合コーチだった武田勝からは「打者に向かって行く気持ち」を高く評価されている。
詳細情報
年度別投手成績
年 度 | 球団 | 登板 | 先発 | 完投 | 完封 | 無四球 | 勝利 | 敗戦 | セ丨ブ | ホ丨ルド | 勝率 | 打者 | 投球回 | 被安打 | 被本塁打 | 与四球 | 敬遠 | 与死球 | 奪三振 | 暴投 | ボ丨ク | 失点 | 自責点 | 防御率 | WHIP |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2019 | 楽天 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 15 | 3.0 | 6 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 3 | 3 | 9.00 | 2.00 |
2020 | 24 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 10 | .667 | 88 | 20.0 | 15 | 0 | 11 | 1 | 2 | 14 | 2 | 0 | 7 | 7 | 3.15 | 1.30 | |
通算:2年 | 25 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 10 | .667 | 103 | 23.0 | 21 | 1 | 11 | 1 | 2 | 16 | 2 | 0 | 10 | 10 | 3.91 | 1.39 |
年度別守備成績
年 度 | 球 団 | 投手 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
試 合 | 刺殺 | 補殺 | 失策 | 併殺 | 守備率 | ||
2019 | 楽天 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1.000 |
2020 | 24 | 1 | 6 | 0 | 0 | 1.000 | |
通算 | 25 | 1 | 7 | 0 | 0 | 1.000 |
独立リーグでの投手成績
年度 | 球団 | 登板 | 完投 | 勝利 | 敗戦 | セ丨ブ | 勝率 | 打者 | 投球回 | 被安打 | 被本塁打 | 与四球 | 与死球 | 奪三振 | 暴投 | ボ丨ク | 失点 | 自責点 | 防御率 | WHIP |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2017 | 石川 | 43 | 0 | 2 | 1 | 0 | .667 | 239 | 59.1 | 38 | 1 | 25 | 3 | 82 | 10 | 0 | 15 | 10 | 1.52 | 1.06 |
通算:1年 | 43 | 0 | 2 | 1 | 0 | .667 | 239 | 59.1 | 38 | 1 | 25 | 3 | 82 | 10 | 0 | 15 | 10 | 1.52 | 1.06 |
記録
NPB
- 初記録
- 初登板:2019年8月4日、対千葉ロッテマリーンズ17回戦(楽天生命パーク宮城)、7回表に2番手で救援登板、3回3失点
- 初奪三振:同上、7回表に井上晴哉から空振り三振
- 初勝利:2020年9月13日、対北海道日本ハムファイターズ17回戦(楽天生命パーク宮城)、4回表に2番手で救援登板、2/3回無失点
- 初ホールド:2020年9月17日、対オリックス・バファローズ15回戦(ほっともっとフィールド神戸)、8回表に5番手で救援登板、1回無失点
背番号
- 20(2017年)
- 56(2018年)
- 056(2019年 - 同年7月28日)
- 68(2019年7月29日 - 2022年)
登場曲
- 「THE Sharehappi」三代目J Soul Brothers(2018年)
- 「ドリームキャッチャー」「ライトスタンド」ベリーグッドマン(2019年)
- 「Dirty Work」Austin Mahone(2020年)
脚注
- ^ “【楽天】ドラ7寺岡、投手専念わずか1年でプロ入り 即戦力目指す”. スポーツ報知. (2017年11月11日). https://web.archive.org/web/20171113163616/http://www.hochi.co.jp/baseball/npb/20171110-OHT1T50231.html 2018年3月8日閲覧。
- ^ “実用性に優れる最速155キロ右腕 寺岡 寛治(石川ミリオンスターズ・投手)”. Baseball Gate. (2017年10月25日). https://baseballgate.jp/p/135046/ 2018年3月8日閲覧。
- ^ “【投手編01】寺岡 寛治(石川ミリオンスターズ) 投手 #20”. ルートインBCリーグ. 2018年3月8日閲覧。
- ^ “BC石川、野手から転向の155キロ右腕・寺岡、開幕戦は「気迫で投げたい」”. スポーツ報知. (2017年4月8日). https://web.archive.org/web/20170620034911/http://www.hochi.co.jp/baseball/etc/20170407-OHT1T50261.html 2018年3月8日閲覧。
- ^ “東海大五―東福岡 飯塚―西日本短大付 準決勝を展望”. 朝日新聞. (2010年7月23日). http://www.asahi.com/koshien/92/fukuoka/news/SEB201007220044.html 2018年3月8日閲覧。
- ^ “<ファイト若ワシ>「強心臓」の救援候補 寺岡寛治投手”. 河北新報. (2018年1月17日). http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201801/20180117_14025.html 2018年3月8日閲覧。
- ^ “2016年ルートインBCLドラフト指名選手のお知らせ”. 石川ミリオンスターズ (2016年11月13日). 2018年3月8日閲覧。
- ^ “【BCリーグ】石川・寺岡、ドラフト「待ち遠しい」運命の10・26へ万全”. スポーツ報知. (2017年9月9日). http://www.hochi.co.jp/baseball/etc/20170908-OHT1T50270.html 2018年3月8日閲覧。
- ^ “「マジェスティック スプリングキャンプ 2018」参加選手に関して”. 東北楽天ゴールデンイーグルス (2018年1月18日). 2018年3月8日閲覧。
- ^ “来季の育成選手契約に関して|東北楽天ゴールデンイーグルス”. 楽天イーグルス オフィシャルサイト. 2019年2月6日閲覧。
- ^ “【由規選手・寺岡寛治選手】支配下選手登録に関して|東北楽天ゴールデンイーグルス”. 2019年7月28日閲覧。
- ^ “楽天が由規と寺岡寛治を支配下登録!由規「ホッとしたというのが今の率直な気持ち」”. BASEBALL KING (2019年7月28日). 2021年7月18日閲覧。
- ^ “楽天寺岡、2軍チーム最多登板を自信に 「ファームで投げた試合数に近い数を1軍で」”. Full-Count (2019年10月21日). 2021年7月18日閲覧。
- ^ “楽天・寺岡380万円増 来期は「飛躍の年に」”. サンケイスポーツ (2020年11月26日). 2021年7月18日閲覧。
- ^ “2021年度 東北楽天ゴールデンイーグルス 個人投手成績(イースタン・リーグ)”. NPB.jp 日本野球機構. 2022年7月27日閲覧。
- ^ “選手契約に関して”. 東北楽天ゴールデンイーグルス. 2022年10月22日閲覧。
- ^ “楽天、岩見雅紀が現役引退でスカウト就任 福山博之、釜田佳直らはスコアラー転身”. Full-Count (2023年1月19日). 2023年1月19日閲覧。
- ^ “【ヤクルト】BC石川155キロ右腕・寺岡の指名を検討”. スポーツ報知. (2017年10月24日). https://web.archive.org/web/20171027230740/http://www.hochi.co.jp/baseball/npb/20171024-OHT1T50013.html 2018年3月8日閲覧。
- ^ “新規支配下選手登録 | 2019年度公示 | NPB.jp 日本野球機構”. 2019年7月29日閲覧。
関連項目
- 福岡県出身の人物一覧
- 九州共立大学の人物一覧
- 東北楽天ゴールデンイーグルスの選手一覧