Hayashi Heishirō
Quick Facts
Biography
林 平四郎(はやし へいしろう、1857年12月26日(安政4年11月11日) - 1941年(昭和16年)12月11日)は、日本の資産家、政治家・貴族院議員(交友倶楽部)、衆議院議員(新政会)、山口県会議員、下関市会議員、山口県多額納税者、実業家。大津屋本店、春帆楼、生蝋醤油醸造業並料理旅館業。下関商工会議所会頭。族籍は山口県平民。第55代農林水産大臣林芳正の高祖父。
経歴
長門国下関(現・山口県下関市)で生まれた。林太平の長男。家業は醤油醸造及び植物性蛹油の製造業である。1883年、家督を相続した。大津屋と称し醤油醸造業を営み、又生蝋製造業をも営む。事業の改善拡張を図り、孜々として家運の隆興に努めた。また防長教育会評議員、国勢調査委員となった。三等郵便局長心得を命ぜられた。
奥小路町会議員、下関市会議員、同市参事会員、山口県会議員を務め、常に地方自治の発達を図った。1915年、衆議院議員に当選した。党籍を無所属団に置いた。貴族院議員に互選された。
関門汽船、朝鮮勧農各取締役、下関商業会議所議員、同会頭、下関米穀取引所理事長、下関瓦斯(山口合同ガスの前身)、下関倉庫、山陽電気軌道(サンデン交通の前身)、長州鉄道、長府土地各社長を務めた。
人物
貴族院多額納税者議員選挙の互選資格を有した。宗教は真宗。
『大正人名辞典』で「林平四郎君は資産信望に於て下関市の実業家中に秀出す、其の人格識見卓絶し其言論亦最も有力なるは勿論にして、市内大小の事殆んど君が関係を待たざるはなく、社会の敬重する所たり」と紹介されている。
『商工資産信用録 第33回 中国四国版』によると「調査年月・1932年2月、正身身代・G、信用程度・Aa、職業・醤油醸造、種油製造」である。住所は山口県下関市貴船町、同市関後地村、同市本町5丁目。
年譜
- 1857年(安政4年) - 下関の醤油醸造業大津屋の林太平の長男として生まれる。
- 1884年(明治17年) - 奥小路町会議員に当選。
- 1889年(明治22年) - 赤間関(後の下関)市会議員選挙に当選。
- 1915年(大正4年) - 下関瓦斯を設立。衆議院議員に当選。
- 1922年 - 地元下関の歴史的会場となった割烹旅館春帆楼の土地・建物・営業権を15万円で買収。
- 1924年(大正13年) - 山陽電気軌道を設立。日清講和談判記念碑を建立。
- 1925年(大正14年) - 貴族院議員に選出。
- 1939年(昭和14年) - 貴族院議員辞任。
- 1941年(昭和16年)12月11日 - 85歳で死去。正五位を追贈。
家族・親族
- 林家
- 宗祖・平次郎 - 赤貧より身を起こす。千金を蓄え米、質の両業を開き、これをその子平二郎に譲る。
- 父・太兵衛、あるいは太平 - 三代目の太兵衛は米、質業を廃業し、更に油、木蝋、醤油業を開始する。1894年、64歳の頃没する。
- 養兄・助之進(山口県多額納税者、大助商店、荒物商)
- 長男・長五郎(大阪高工出身、病没) - 『聖代偉績芳鑑』によると、「予備砲兵少尉で家に在り、また父の性を享けて謹厚克く父をたすけ、実に在郷軍人の模範である」という。
- 同妻・モヨ(1889年 - ?、山口士族、国光雅一の長女)
- 長女・トキ(1888年 - ?)
- 養子・シセ(1873年 - ?)
- 孫
- トラ(1909年 - ?、長男・長五郎の長女、養孫・佳介の妻)
- ハル(1914年 - ?、長男・長五郎の二女)
- 養孫・佳介(1900年 - 1987年、大津屋、醤油醸造業、実業家、政治家・衆議院議員、孫・トラの夫)
- 曾孫
- 義郎(1927年 - 2017年、通産官僚、政治家・衆議院議員) - 厚生大臣、大蔵大臣を歴任。
- 孝介(大津屋会長)
- 玄孫
- 芳正(政治家・参議院議員、第55代農林水産大臣)
- 俊作(大津屋社長)
脚注
- ^ 『関門若倉精華 第1編』78頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2020年1月17日閲覧。
- ^ 衆議院『第三十六回帝国議会衆議院議員名簿』〈衆議院公報附録〉、1915年、23頁。
- ^ 『全国貴族院多額納税者議員互選人名総覧』105頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2018年5月1日閲覧。
- ^ 『全国五十万円以上資産家表 時事新報社第三回調査』10頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2018年5月1日閲覧。
- ^ 『輝く憲政』10頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2019年11月20日閲覧。
- ^ 『衆議院議員略歴 第1回乃至第19回』51頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2018年7月30日閲覧。
- ^ 『聖代偉績芳鑑』21 - 22頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2018年4月28日閲覧。
- ^ 『人事興信録 第11版 下』は135頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2016年6月3日閲覧。
- ^ 『人事興信録 第12版 下』ハ115頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2018年4月24日閲覧。
- ^ 『人事興信録 第5版』は51頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2019年11月20日閲覧。
- ^ 『人事興信録 第6版』は47頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2016年6月3日閲覧。
- ^ 『人物と其勢力』山口県之部23頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2018年4月29日閲覧。
- ^ 『大正人名辞典』1850頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2018年4月25日閲覧。
- ^ 『日本紳士録 第43版』山口ハ、ヒの部12頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2018年4月29日閲覧。
- ^ 『日本経済新聞』2013年10月28日。
- ^ 『商工資産信用録 第33回 中国四国版』山口県は之部4頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2018年5月3日閲覧。
- ^ 「200年企業 成長と持続の条件(224)大津屋 醤油を原点に『温故創新』」『日本経済新聞』2013年10月28日。
- ^ 『人事興信録 第9版』ハ83 - 84頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2020年1月15日閲覧。