Chen Wen

陳 温（ちん おん、生没年不詳）は、中国後漢末期の人物。字は元悌。豫州汝南郡の人。『三国志』魏志「武帝紀」「袁術伝」などに記録がある。

後漢の揚州刺史を務めた。

190年、反董卓の軍が結成され、各地の諸侯が蜂起した。それに参加した曹操は兵が少なかったので夏侯惇と共に揚州で兵を集めた。陳温は、丹陽太守の周昕とともに兵を提供した。

193年、袁術が南陽郡から進軍し、曹操を攻撃したが敗北した。袁術は南陽郡を放棄し、残った軍を引き連れて揚州へ向かい、その際に陳温は袁術に殺害された。袁術は寿春を拠点とし、揚州北部の支配に成功した。

しかし、裴松之の注が引く、『英雄記』では違う記述となっている。

それによれば陳温は袁術の揚州進出前に病死している。 「袁術伝」の記述と、『英雄記』の記述が食い違っていると裴松之は指摘している。死去した具体的な時期は記載されていない。

1. ^ 『英雄記』
2. ^ 「武帝紀」
3. ^ 「袁術伝」『後漢書』の「孝献帝紀」によれば、初平四年（193年）3月の出来事である。
4. ^ また、「袁紹が袁遺を、袁術が陳瑀を揚州刺史に任命し、袁遺は戦いに敗れて逃走した。その後、陳瑀が袁術を拒絶して城に入れなかったため、袁術に攻撃された。陳瑀が徐州下邳郡へ逃亡したので袁術が揚州を支配した。」などと、袁術の揚州進出の具体的な記載もある。