宮本 陽吉(みやもと ようきち、1927年4月4日 - 1996年12月18日)は、アメリカ文学者、翻訳家。20世紀アメリカ小説を専攻、ヘミングウェイ、フィッツジェラルドのほか、フィリップ・ロス、ジョン・アップダイクなど戦後作家の翻訳で知られる。
東京生まれ。旧姓・山内。妻は洋画家の宮本三郎の娘・美音子。1951年東京大学文学部英文科卒、53年同大学院修士課程修了。茨城大学講師、58年中央大学講師、61年助教授、68年教授、70年東京工業大学教授、83年学習院大学教授となった。子に英文学者で筑波大学教授の宮本陽一郎がいる。
著書
- 『アメリカ小説を読む』集英社 1977
- 『アメリカ最終出口』冬樹社 1980
翻訳
- ネルソン・オルグレン『朝はもう来ない』パトリア、1958
- フィッツジェラルド『裕福な青年・壊れる』永川玲二共訳、南雲堂、1958
- ジョフリー・ハウスホールド『追われる男』創元推理文庫、1960
- マラムード『もうひとつの生活』新潮社、1963
- 『ヘミングウェイ全集 午後の死』佐伯彰一共訳、三笠書房、1964
- 『作家の秘密 14人の作家とのインタビュー』パリ・レヴュー社編、辻邦生、高松雄一共訳、新潮社、1964
- ジョン・アプダィク『走れウサギ』白水社、1964 のちUブックス
- ヘミングウェイ『世界文学全集 日はまた昇る』講談社、1967 のち文庫
- ヘミングウェイ『世界文学全集 われらの時代に』河出書房新社、1967 のち福武文庫
- 『ヘンリー・ミラー全集第7 宇宙的な眼』 新潮社、1968
- ヒューバート・セルビー・ジュニア『ブルックリン最終出口』河出書房新社、1968 のち文庫
- セオドア・ドライサー『世界文学全集 第49 アメリカの悲劇』集英社、1970
- アップダイク『カップルズ』新潮社、1970 のち文庫
- 『世界の文学 44 カーソン・マッカラーズ 黄金の眼に映るもの』 中央公論社、1971
- フィリップ・ロス『ポートノイの不満』集英社、1971 のち文庫
- ドン・ミッチェル『サム・トリッピング』河出書房新社、1972
- アップダイク『同じ一つのドア』新潮文庫、1972
- フィリップ・ロス『狂信者イーライ』佐伯彰一共訳、集英社、1973
- 『世界の文学 33ソール・ベロー その日をつかめ』 集英社、1976、のち文庫
- アップダイク『美術館と女たち』新潮社、1980
- ジョン・ガードナー『キングズ・インディアン』集英社、1981
- ヒューバート・セルビー・ジュニア『夢へのレクイエム』河出書房新社、1982
- ハーバート・ゴールド『彼/彼女』新潮社、1984
- フィリップ・ロス『解剖学講義』集英社、1986
- フィリップ・ロス『背信の日々』集英社、1993
- イーディス・ウォートン『イーサン・フローム』荒地出版社、1995
論文
脚注
- ^ 宮本陽一郎「画家と諜報」宮本・鷲津浩子共編『知の版図』