小田嶋 隆(おだじま たかし、1956年11月12日 - )は、日本のコラムニスト、テクニカルライター、早稲田大学文化構想学部非常勤講師。
経歴・人物
東京都北区赤羽に生まれる。1975年に東京都立小石川高校、1980年に早稲田大学教育学部社会科社会科学専修をそれぞれ卒業した。
大学卒業後は味の素ゼネラルフーヅに就職したが入社翌年の1981年(昭和56年)に退職し、小学校事務員見習い、ラジオ局のアシスタントディレクター (AD)、ロックバンド座付き作詞家などを経て、テクニカルライターとなる。1988年(昭和63年)に、コンピュータに関連するコラム集 『我が心はICにあらず』を著し、以降コンピュータ関係や様々な事物を論じるコラムニストとなる。月刊誌『噂の眞相』で無資本主義商品論を連載した。1997年(平成9年)に、月刊誌『諸君!』で詩人・書道家の相田みつをを「便所の神様」と批評する記事を著し、書道家の実績や兵役の有無など来歴に事実誤認があるとして遺族から名誉毀損で訴えられた。
浦和レッズのサポーターである。
発言・主張
- 1992年、クロスビートの連載で「黒人が握った寿司が食えるか」のコラムを掲載した。
- 2008年(平成20年)から日経ビジネスオンラインで連載し、2009年(平成21年)8月の第45回衆議院議員総選挙の自民党敗北について、ネットウヨクの主張を真に受けたことが最大の敗因と主張した。2011年9月に、民主党代表選で野田佳彦が行ったいわゆる「ドジョウ演説」を批判して、相田みつをの政治利用に反対の意を表明した。
- 選択的夫婦別姓制度導入に賛同している。「この問題は、同姓か別姓か、という問題ではなく、『「同姓義務」VS「自由選択」』という問題で、反対する、というのは『自由』に反対する、ということ。反対派の議論は間違っている。『同姓』しか選べない現状は、日本の麺が蕎麦か饂飩のどちらかのみしか選べないのは悪夢、ということと同じ」と述べ、反対派を批判している。
- 2012年8月に、映画『アベンジャーズ』の日本公開のキャッチコピー「日本よ、これが映画だ。」について、「どんだけ上からなんだ?原住民にビー玉売りつけてた植民地商人の心性そのまんまじゃないか。『土人よ、これが文明だ』と、どこが違う?」とツイートした。
- サッカーの日韓戦で韓国サポーターが掲げる、独島の領有権を主張する横断幕、日本沈没バナー、日本人を猿扱いする差別的なバナナのバナーなどに対して、マスコミが報道すると2ちゃんねるなど日韓双方の掲示板で大騒ぎとなり悪循環になる。よって、見て見ぬふりや気が付かなかったふりをして報道しないなど大人の対応をして、糾弾するのではなく無視した方が(日韓関係にとって)結果的には良い、と主張している。
- 2014年4月に、TBSラジオ「たまむすび」で「韓国の沈没事故で、2ちゃんの書き込み10万件の7割が『ざまあみろ』みたいな感じ」と発言した。
著書
単著
- 『親子で楽しむパソピア7』 (ダイヤモンド社、1983)
- 『我が心はICにあらず』 (BNN、1988) のち光文社文庫
- 『安全太郎の夜』 (河出書房新社、1991)
- 『笑っておぼえるコンピュータ事典』 (ジャストシステム、1992)
- 『パソコンゲーマーは眠らない』 (朝日新聞社、1992) のち文庫
- 『山手線膝栗毛』 (ジャストシステム、1993)
- 『仏の顔もサンドバッグ』 (宝島社、1993)
- 『コンピュータ妄語録』 (ジャストシステム、1994)
- 『「ふへ」の国から—ことばの解体新書』 (徳間書店、1994)
- 『無資本主義商品論—金満大国の貧しきココロ』 (翔泳社、1995)
- 『罵詈罵詈—11人の説教強盗へ』 (洋泉社、1995)
- 『Dogz パソコンに住んだ犬』 (ヴァージンインタラクティブエンターテインメント、1997)
- 『日本問題外論-いかにして私はデジタル中年になったか』 (朝日新聞社、1998)
- 『パソコンは猿仕事』 (小学館文庫、1999)
- 『人はなぜ学歴にこだわるのか。』 (メディアワークス 2000) のち光文社知恵の森文庫
- 『かくかく私価時価—無資本主義商品論1997‐2003』 (ビー・エヌ・エヌ新社、2003)
- 『イン・ヒズ・オウン・サイト ネット巌窟王の電脳日記ワールド』 (朝日新聞社、2005)
- 『テレビ標本箱』 (中公新書ラクレ、2006)
- 『サッカーの上の雲—オダジマタカシ サッカ〜コラム大全』 (駒草出版、2007)
- 『1984年のビーンボール—オダジマタカシ スポ〜ツコラム大鑑』 (駒草出版、2007)
- 『テレビ救急箱』 (中公新書ラクレ、2008)
- 『地雷を踏む勇気 人生のとるにたらない警句』生きる技術!叢書 (技術評論社、2011)
- 『その「正義」があぶない。』 (日経BP社、2011)
- 『もっと地雷を踏む勇気 わが炎上の日々』生きる技術!叢書 (技術評論社、2012)
- 『小田嶋隆のコラム道』 (ミシマ社、2012)
- 『場末の文体論』 (日経BP社、2013)
- 『ポエムに万歳!』 (新潮社、2014)
- 『友だちリクエストの返事が来ない午後』 太田出版、2015年
- 『超・反知性主義入門』 日経BP社、2015年
- 『ザ・コラム:2006-2014』 晶文社、2016年
- 『上を向いてアルコール -「元アル中」コラムニストの告白』、ミシマ社、2018年
共著
- 『MSXゲーム・プログラミング入門』服部康夫共著 (ダイヤモンド社、1984)
- 『9条どうでしょう』内田樹・平川克美・町山智浩共著 (毎日新聞社、2006)
- 『人生2割がちょうどいい』岡康道共著 (講談社、2009)
- 『ガラパゴスでいいじゃない 人生2割がちょうどいい part 2』岡康道共著 (講談社、2010)
- 『いつだって僕たちは途上にいる』岡康道共著、講談社
- 『脱グローバル論 日本の未来のつくりかた』内田樹・中島岳志・平松邦夫ら共著、講談社
- 『「踊り場」日本論』 岡田憲治との共著、晶文社、2014年
- 『語りあかそう』 ナンシー関らとの共著、河出書房新社、河出文庫、2014年
- 『街場の五輪論』 内田樹・平川克美共著 (朝日新聞出版、2014.4)
- 『街場の憂国会議』 内田樹編 (晶文社、2014.5)
- 『日本の反知性主義』内田樹・白井聡ほか共著 (晶文社、2015.3)
- 『「反知性主義」に陥らないための必読書70冊』 文藝春秋 編、文藝春秋、2015年
- 『ベスト・エッセイ = THE BEST ESSAY 2015』 日本文藝家協会(編)、光村図書出版、2015年
- 『転換期を生きるきみたちへ : 中高生に伝えておきたいたいせつなこと』 内田樹(編) 晶文社、2016年
- 「少子化をめぐる世論の背景にある「経営者目線」」(『人口減少社会の未来学』、内田樹共編・池田清彦・姜尚中・隈研吾・平田オリザら共著、1080年、文藝春秋)
全集
- 既刊
- 所収(予定)作品
- 安全太郎の夜
- パソコンゲーマーは眠らない
- 山手線膝栗毛
- 仏の顔もサンドバッグ
- コンピュータ妄語録
- 「ふへ」の国から―ことばの解体新書
- 無資本主義商品論―金満大国の貧しきココロ
- 罵詈罵詈―11人の説教強盗へ
- 日本問題外論―いかにして私はデジタル中年になったか
- パソコンは猿仕事
- 人はなぜ学歴にこだわるのか
訳著
- Nancy Andrews『WINDOWS マイクロソフト・ウインドウズオフィシャルガイドブック IBM-PC版』広野幸治共訳 (ビー・エヌ・エヌ、1987)
- ガイ・カワサキ『徹底的に敵をヘコます法—ビジネスを優位に導く“狂騒”戦略』 (ダイヤモンド社、1997)
- (マイケル・トッド ピーターソン)『3D STUDIO MAXガイドブック』 (ビーエヌエヌ、1998)
- ガイ・カワサキ『神のごとく創造し、奴隷のごとく働け!—ガイ・カワサキのビジネス革命ルール』 (ダイヤモンド社、1999)
連載
- 雑誌
- 日経ビジネス『pie in the sky』
- SIGHT (ロッキング・オン)
- 新潮45
- ブブカ
- サッカー批評
- 週刊SPA! 不定期で書評欄を担当
- 実話BUNKAタブー
- ウェブ
出演
- CS放送
- 「ニュースの深層」 テレ朝チャンネル 木曜日メインキャスター
- ラジオ
- 「たまむすび」 TBSラジオ 月曜日 『週刊にっぽんの空気』
- 「TIME LINE」 TOKYO FM 木曜日パーソナリティー
評価
- 作家の能町みね子は「小田嶋隆さんの文章くらいの凄みがないとコラムニストは名乗れないなと思う」とツイッターで述べている。
- 高校時代のクラスメートであるCMプランナーの岡康道は「(自分は)小田嶋には敵わないから文章で食べていくのを諦めた」と語っている。
脚注
注釈
- ^ コラムニストデビュー30周年を記念して出版されている。
出典