Shin'ya Andō

安堂 信也（あんどう しんや、1927年6月1日 - 2000年10月18日）は、フランス文学者、翻訳家、早稲田大学名誉教授。

東京出身。京城で敗戦を迎える。1951年早大仏文科卒、大学院に進み、52年パリ第3大学に留学、54年帰国し、文学座で演劇の実践に携わる。56年博士課程進学、59年中退、62年早大文学部専任講師、65年助教授、70年教授。演劇博物館副館長などを務め、95年定年退任。

サミュエル・ベケット、ジャン・ラシーヌ、ジャン・ジロドゥなどフランス演劇の翻訳のほか、カトリーヌ・アルレーの推理小説を多数訳した。

教え子のひとりに村上春樹がおり、授業に出ず、ラシーヌを一行も読まずに安堂から単位をもらった話を記者会見で披露した。

著書

• ソルボンヌの恋人 フランス語会話物語 白水社 1960
• ゴドーを待った日々 安堂信也演劇論集 晩成書房 2004

翻訳

• エセルとジューリアス レオン・クルツコフスキー 鈴木力衛共訳 白水社 1955
• 八時四七分の列車 G.クールトリーヌ 獅子文六共訳 世界大衆小説全集 生活百科刊行会 1955
• ユダヤ人 J-P.サルトル 岩波新書 1956
• ゴドーを待ちながら サミユエル・ベケット 白水社 1956
• ジロドゥ戯曲全集 第1巻 ジークフリート 白水社 1957
• チャーチルと勇気 ビベスコ皇女 東京創元社 1957
• ブリタニキュス ジャン・ラシーヌ 新潮社 1957
• 陽気な騎兵隊 ジョルジュ・クールトリーヌ 獅子文六共訳 世界大ロマン全集 東京創元社 1957
• ジロドゥ戯曲全集 第5巻 カンティック・デ・カンティック 矢代静一共訳 白水社 1958
• ジロドゥ戯曲全集 第6巻 ベルラックのアポロ 白水社 1958
• 藁の女 カトリーヌ・アルレェ 東京創元社 1958　のち「わらの女」文庫
• コクトー戯曲選集 第2巻 エッフェル塔の花婿花嫁　白水社 1959
• ゲー・ムーランの踊子 ジョルジュ・シムノン 創元推理文庫 1959
• スガナレル モリエール笑劇集 白水社 1959
• 椅子 ウジェーヌ・イヨネスコ 現代フランス戯曲選集第2 白水社 1960
• 三文酒場 ジョルジュ・シムノン 創元推理文庫 1960
• 授業 ウジェーヌ・イヨネスコ 木村光一共訳 現代フランス戯曲選集第3 白水社 1961
• 目には目を カトリーヌ・アルレエ 創元推理文庫 1961
• 演出の歴史 ポール・ブランシャール 白水社 1961（文庫クセジュ）
• 死者の入江 カトリーヌ・アルレー 創元推理文庫 1962
• 黄金の檻 カトリーヌ・アルレー 創元推理文庫 1963
• 泣くなメルフィー カトリーヌ・アルレー 創元推理文庫 1964
• タラーヌ教授（アダモフ）、二人で狂う（イヨネスコ）世界文学大系 筑摩書房 1965
• 世界古典文学全集 アンドロマック、バジャゼ ラシーヌ、筑摩書房 1965
• 演劇とその形而上学 アントナン・アルトー 白水社 1965
• ベケット戯曲全集 第1－2 高橋康也共訳 白水社 1967
• 大いなる幻影 カトリーヌ・アルレー 創元推理文庫 1968
• デュラス戯曲全集第1 ラ・ミュージカル、ジャングルの野獣 竹内書店 1969
• モロイ サミュエル・ベケット 白水社 1969
• デュラス戯曲全集 第2　木立ちの中の日々（平岡篤頼共訳） イエス、たぶん、シャガ語 竹内書店 1969
• 現代世界演劇 1 ティレシアスの乳房（G・アポリネール） ヴィクトール（R・ヴィトラック 大出学共訳） 白水社 1970
• 初恋・メルシェとカミェ サミュエル・ベケット 白水社 1971
• 71年春 オフ・リミッツ アルチュール・アダモフ テアトロ 1971
• サミュエル・ベケット短編集 片山昇、高橋康也共訳 白水社 1972
• ベケットの小説 沈黙と語のあいだ オルガ・ベルナル 紀伊国屋書店 1972
• ダダ・シュルレアリスム演劇史 H.ベアール 竹内書店 1972
• スウェーデンの城 サガン 岩瀬孝共訳 新潮文庫 1973
• カミュ全集 8 ある臨床例 新潮社 1973
• 二千万ドルと鰯一匹 カトリーヌ・アルレー 創元推理文庫 1974
• 幸福を奇数に賭けて サガン 新潮文庫 1974
• 犯罪は王侯の楽しみ カトリーヌ・アルレー 創元推理文庫 1975
• アントナン・アルトー ジャン＝ルイ・ブロー 白水社 1976
• 死ぬほどの馬鹿 カトリーヌ・アルレー 創元推理文庫 1976
• 黒頭巾の孤島 カトリーヌ・アルレー 創元推理文庫 1976
• 草の中のピアノ サガン 新潮文庫 1976
• 時おりヴァイオリンが…… サガン 新潮文庫 1976
• 砂の鎧 カトリーヌ・アルレー 創元推理文庫 1979
• 地獄でなぜ悪い カトリーヌ・アルレー 創元推理文庫 1979
• パリのダダ ミッシェル・サヌイエ 共訳 白水社 1979
• 白墨の男 カトリーヌ・アルレー 創元推理文庫 1982
• 罠に落ちた女 カトリーヌ・アルレー 創元推理文庫 1983
• 呪われた女 カトリーヌ・アルレー 創元推理文庫 1984
• 21のアルレー カトリーヌ・アルレー 創元推理文庫 1985
• 死神に愛された男 カトリーヌ・アルレー 創元推理文庫 1986
• ベケット戯曲全集 第3巻 高橋康也共訳 白水社 1986
• アラーム! カトリーヌ・アルレー 創元推理文庫 1987
• 疑惑の果て カトリーヌ・アルレー 創元推理文庫 1988
• 狼の時刻 カトリーヌ・アルレー 東京創元社 1990

脚注