八杉 貞利(やすぎ さだとし、1876年9月16日 - 1966年2月26日)は、日本のロシア語学者。
来歴
東京府生まれ。
1888年(明治20年)8月、高等師範学校附属小学校高等科(現・筑波大学附属小学校)卒業。1894年(明治27年)に高等師範学校尋常中学科(現・筑波大学附属中学校・高等学校)卒業。第一高等学校を経て、東京帝国大学言語学科卒業。ロシアに留学し、比較言語学、スラブ比較文法を学ぶ。
1903年に東京外国語学校教授となり、東京帝大、早稲田大学で講師を務め、米川正夫、中村白葉、昇曙夢、木村彰一などのロシア文学者を育成した。生物学史学者の八杉龍一は息子。
1960年、紫綬褒章受章。1965年、賜銀杯一組。
著書
単著
- 『外国語教授法』(宝永館書店、1901年)
- 『詩宗プーシキン』(時代思潮社、1906年)
- 『露西亜及露西亜人』(富山房、1914年)
- 『露西亜語学階梯』(大倉書店、1916年)
- 『簡易日露会話』(大倉書店、1917年)
- 『露西亜語文法』(大倉書店、1922年)
- 『初等露西亜語文法』(大倉書店、1926年)
- 『自修新ロシヤ語』(太陽堂、1930年)
- 『かなつき日露会話』(大阪屋号書店、1932年)
- 『ロシヤ語発音五時間』(大学書林、1932年)
- 『新集初等ロシア語讀本』(大倉書店、1932年)
- 『露語発音講話』(橘書店、1934年)
- 『自修露西亜語文法・会話』(大阪屋号書店、1939年)
- 『新解ロシヤ語文法』(白揚社、1939年)
- 『ロシヤ語発音学』(三省堂、1941年)
- 『露和辞典』(岩波書店、1947年)
- 『露語新読本』(白揚社、1947年)
- 『基礎ロシヤ語』(大学書林、1948年)
- 『自修新ロシヤ語講話』(第一出版、1949年)
- 『八杉ロシヤ語教本』(第一出版、1961年)
- 『ろしや路 八杉貞利日記』(図書新聞社、1967年)
共著
- 『新舊露西亞語會話の實例と練習』(太陽堂書店、1942年)井上敬一共著
- 『日露会話と作文の基礎』(白水社、1950年)渡辺四郎共著
- 『会話からはいるロシヤ語』(白水社、1953年)井上敬一共著
- 『ロシヤ文法』(岩波書店、1953年)木村彰一共著
- 『新県居雑記』(吾妻書房、1970年)和久利誓一編
翻訳
- 『露語発音解説』(トドロヰチ)(丸善、1914年)
- 『請願人』(サルトゥイコフ)(新潮社、1924年)
- 『智のための悲哀』(グリボイエードフ)(三田書店、1924年) のち「智慧の悲しみ」と改題
- 『トルストイの思ひ出』(アレクサンドラ・トルスタヤ 深見尚行共訳)(岩波書店、1930年)
- 『トルストイ全集 第20巻 日露戦争に就て』(深見尚行)(岩波書店、1931年)
- 『新訳露和大辞典』(アレクサンドロフ 鈴木於菟平、松本圭亮共訳)(大倉書店、1933年)
記念論集
- 『ロシヤ文化の研究 八杉先生還暦記念論文集』(岩波書店, 1939
関連項目