三浦 信孝(みうら のぶたか、1945年3月28日 - )は、フランス文学・文化学者、中央大学名誉教授・日仏会館常務理事。専門はポール・ヴァレリー。また日本語-フランス語の通訳。
経歴・人物
岩手県盛岡市生まれ。1970年東京大学教養学部フランス科卒業。1978年同大学院人文科学研究科仏文学博士課程満期退学。静岡大学教養部助教授、慶應義塾大学環境情報学部助教授、教授。1995年中央大学文学部教授。2015年定年、名誉教授。日本フランス語教育学会会長を務めた。
著書
- Sommeil et Reveil chez Valery : d’Agathe a La Jeune Parque / N. Miura? 1981?
- 『フランス語 3 1998』放送大学教育振興会 1998
- 『現代フランスを読む 共和国・多文化主義・クレオール』大修館書店 2002
- 『フランス語 3 2002』放送大学教育振興会 2002
共編著
- 『多言語主義とは何か』編 藤原書店 1997
- 『言語帝国主義とは何か』糟谷啓介共編 藤原書店 2000
- 『普遍性か差異か 共和主義の臨界、フランス』編 藤原書店 2001
- 『来るべき〈民主主義〉 反グローバリズムの政治哲学』編 藤原書店 2003
- 『フランスの誘惑・日本の誘惑』編著 中央大学出版部 2003
- 『近代日本と仏蘭西 10人のフランス体験』編 大修館書店 2004
- 『思想としての〈共和国〉 日本のデモクラシーのために』レジス・ドゥブレ、樋口陽一、水林章共著 みすず書房 2006
- 『グローバル化と文化の横断』松本悠子共編 中央大学出版部 中央大学学術シンポジウム研究叢書 2008
- 『〈共和国〉はグローバル化を超えられるか』J=P・シュヴェヌマン、樋口陽一共著 平凡社新書 2009
- 『トクヴィルとデモクラシーの現在』松本礼二、宇野重規共編 東京大学出版会 2009
- 『現代フランス社会を知るための62章』西山教行共編著 明石書店 エリア・スタディーズ 2010
- 『自由論の討議空間 フランス・リベラリズムの系譜』編 勁草書房 2010
- 『日仏翻訳交流の過去と未来 来るべき文芸共和国に向けて』西永良成、坂井セシル共編 大修館書店 2014
- 『ルソーと近代 ルソーの回帰・ルソーへの回帰』永見文雄、川出良枝共編 風行社 2014。ジャン=ジャック・ルソー生誕300周年記念国際シンポジウム
- 『戦後思想の光と影 日仏会館・戦後70年記念シンポジウムの記録』編 風行社 2016
- 『ヴァレリーにおける詩と芸術』塚本昌則 水声社 2018
翻訳
- 『ヴァレリー全集カイエ篇 4 身体と身体・精神・外界』 筑摩書房 1980
- 『ヴァレリー全集カイエ篇 5 注意力』 筑摩書房 1980
- 『ヴァレリー全集カイエ篇 6 情動性』 筑摩書房 1981
- 『ヴァレリー全集カイエ篇 8 芸術と美学』 筑摩書房 1982
- ジャック・デリダ『カフカ論 「掟の門前」をめぐって』朝日出版社・ポストモダン叢書 1986
- ドラ・トーザン『現代フランスの基礎知識』編 白水社 1997
- 『越境するクレオール マリーズ・コンデ講演集』編訳 岩波書店 2001
- アンドレア・センプリーニ『多文化主義とは何か』長谷川秀樹共訳 白水社・文庫クセジュ 2003
- ピエール・ブルデュー『実践理性 行動の理論について』加藤晴久、石井洋二郎、安田尚共訳 藤原書店 2007
- ジャン・ボベロ『フランスにおける脱宗教性(ライシテ)の歴史』伊達聖伸共訳 白水社・文庫クセジュ 2009
- ブリュノ・ベルナルディ『ジャン=ジャック・ルソーの政治哲学 一般意志・人民主権・共和国』編 永見文雄、川出良枝、古城毅、王寺賢太訳 勁草書房 2014
- アントニオ・ネグリ/市田良彦、伊藤守、上野千鶴子、大澤真幸、姜尚中、白井聡、毛利嘉孝『ネグリ、日本と向き合う』NHK出版新書 2014
論文
脚注
- ^ フランス語←→日本語 の通訳をできる人間は非常に少なく、その中でも三浦信孝はトップレベルの実力を持っており、日本語-フランス語の通訳が必要とされる重要な会議(文学関連に限らず、多種多様な会議)や、フランスの重要人物を日本に招き もてなす場 等々等々で、長年に渡り しばしば指名され、数え切れないほどの回数 貢献してきた実績があり、貴重な人材である。またフランス語←→日本語の通訳者を養成する講座の講師役も 務めた / 務めている[1]。つまり「普通の通訳」というレベルは はるかに超えており、通訳を育てる師範級(指導者級)の存在でもある。特に、フランスと日本は地理的に離れているため、日仏両国の交流が始まってからの歴史が比較的短く、おまけに日本語とフランス語の言語系統があまりに離れている(言語構造や語彙体系などの相違が大きい)などの要因も重なり、そもそもフランス語・日本語の「両言語とも達者な人」が育だちづらい傾向があり、(いわば「母数」や「ピラミッドの底辺」が小さいので)結果として、さらに上級の、「プロフェッショナルレベルでフランス語-日本語の通訳ができる人」の数はかなり限られており、さらにその「師範級」と呼べるような人は1~2名程度(ゆるく見積もっても2~3名程度か)しかいない状況であるので)、この意味でも三浦信孝は非常に貴重で重要な人物であり、また日本とフランスの関係(「日仏関係」)のためにも非常に重要な人物である。
- ^ 三浦信孝教授略年譜 中央大学文学部紀要 2015-03