堀越 孝一(ほりこし こういち、1933年10月23日 - )は、日本の西洋史学者。学習院大学名誉教授。
経歴
東京市滝野川区(現東京都北区)生まれ。東京都立北園高等学校を経て、1956年東京大学文学部西洋史学科卒業、高校非常勤講師を務める。1959年には堀一孝の筆名で柴田翔らの同人誌『犀』に参加。1960年東大大学院に入学、堀米庸三に師事、1966年博士課程満期退学、茨城大学講師、1968年助教授、1971年から一年間、文部省在外研究員としてパリに住む。1974年学習院大学助教授、1976年教授。2001年人文科学研究所長。数度にわたり滞仏する。2004年定年退職。2013年春、瑞宝中綬章叙勲。
ヨハン・ホイジンガの学問を受け継ぎ、西洋中世を専門とするが、関心は美術、詩など幅広く、レンブラントやヴィヨンについての著作もある。
著書
単著
- 『ジャンヌ=ダルク――百年戦争のうずの中に』(清水書院〈センチュリーブックス〉, 1975年/清水新書, 1984年/朝日新聞社〈朝日文庫〉, 1991年)
- 新訂版『ジャンヌ=ダルクの百年戦争』(清水書院〈新・人と歴史〉, 2017年)
- 『人間の世界歴史(6)回想のヨーロッパ中世』(三省堂, 1981年)
- 『中世ヨーロッパの歴史』(講談社学術文庫, 2006年)。増補改題版
- 『遊ぶ文化――中世の持続』(小沢書店, 1982年)
- 『いま、中世の秋』(小沢書店, 1982年/中央公論社〈中公文庫〉, 1987年)
- 『日記のなかのパリ――パンと葡萄酒の中世』(TBSブリタニカ・サントリー博物館文庫, 1985年)
- 改題『パンとぶどう酒の中世――15世紀パリの生活』(筑摩書房〈ちくま学芸文庫〉, 2007年)
- 『騎士道の夢・死の日常――中世の秋を読む』(人文書院, 1987年)
- 『歴史のなかの若者たち(2) 青春のヨーロッパ中世』(三省堂, 1987年)
- 増訂版『人間のヨーロッパ中世』(悠書館, 2012年)
- 『中世の精神』(小沢書店, 1990年)
- 『画家たちの祝祭――十五世紀ネーデルラント』(小沢書店, 1990年)
- 増訂版『中世の秋の画家たち』(講談社学術文庫, 2007年)
- 『軍旗はブラシュの花印』(小沢書店, 1991年)
- 『わがヴィヨン』(小沢書店, 1995年)
- 『ブルゴーニュ家――中世の秋の歴史』(講談社現代新書, 1996年)
- 『教養としての歴史学』(講談社現代新書, 1997年)
- 『わが梁塵秘抄』(図書新聞, 2004年)
- 『飛ぶ鳥の静物画』(図書新聞, 2004年)
共著
- (三浦一郎)『世界の歴史(5)信仰と闘いの時代――中世ヨーロッパ』(集英社, 1968年)
- (三浦一郎)『世界の歴史(5)中世ヨーロッパ』(社会思想社[現代教養文庫], 1974年)
- (堀米庸三)『世界の歴史(8)ヨーロッパ世界の成立』(講談社, 1977年)
編著
- 『世界を創った人びと(18) レンブラント――オランダが生んだ明暗の画家』(平凡社, 1979年)
- 『歴史を読む――堀越孝一編著歴史論集』(東洋書林, 1998年)
- 『新書ヨーロッパ史――中世篇』(講談社現代新書, 2003年)
- 『円卓 古稀の堀越孝一を囲む弟子たちの歴史エッセイ集』(関哲行・石渡明夫・網野公一編、東洋書林、2006年)
訳書
- C・ウイルスン『オランダ共和国』(平凡社[世界大学選書], 1971年)
- J・ホイジンガ『中世の秋』(中央公論社, 1969年/中公文庫(上・下), 1976年/中公クラシックス(Ⅰ・Ⅱ), 2001年)
- J・ホイジンガ『朝の影のなかに――わたしたちの時代の精神の病の診断』(中央公論社, 1971年/中公文庫, 1975年)
- 『形見分けの歌 ヴィヨン遺言詩注釈』(小沢書店, 1997年)
- 『遺言の歌 上中下 ヴィヨン遺言詩注釈』(小沢書店, 1999-2000年)、下巻のみ(冬至書房, 2002年)
- 『ヴィヨン遺言詩集 形見分けの歌 遺言の歌』(悠書館, 2016年)
- 『パリの住人の日記(1) 1405-1418』(八坂書房, 2013年)、全3冊予定。
- 『パリの住人の日記(2) 1419-1429』(八坂書房, 2016年)
参考
- 堀越孝一先生略歴 (堀越孝一先生退任記念号) 『学習院史学』2004-03
註