Kazuho Sakamoto

坂本 多穗（さかもと かずほ、1978年2月 - ）は、日本の薬学者（薬理学）。学位は博士（薬学）（名古屋市立大学・2006年）。静岡県立大学薬学部准教授・大学院薬学研究院准教授。名の「穗」は「穂」の旧字体のため、新字体で坂本 多穂（さかもと かずほ）と表記される場合もある。

福島県立医科大学医学部講師、静岡県立大学薬学部講師などを歴任した。

来歴

生い立ち

1978年（昭和53年）2月に生まれた。名古屋市により設置・運営されている名古屋市立大学に進学し、薬学部の製薬学科にて学んだ。2001年（平成13年）3月、名古屋市立大学を卒業した。そのまま名古屋市立大学の大学院に進学し、薬学研究科にて学んだ。大学院に在籍している間に、博士論文となる「樹脂由来成分を基礎とした新規K[+]チャネル開口薬の創出」を執筆した。2006年（平成18年）3月、名古屋市立大学の大学院における博士課程を修了した。それに伴い、博士（薬学）の学位を取得した。

薬学者として

大学院修了後は、福島県が設置・運営する福島県立医科大学に採用されることになり、2006年（平成18年）4月より医学部の助手として着任した。なお、同年には福島県立医科大学の設置者が変更され、福島県から同名の公立大学法人に移管されるなど、この年は大学にとって新たな体制が始動した年でもあった。その後、学校教育法が改正されることになり、それに伴って翌年4月に助手は助教と改められた。2010年（平成22年）2月には、福島県立医科大学の医学部にて講師に昇任した。その間、2011年（平成23年）3月11日には東北地方太平洋沖地震が発生し、東日本大震災や福島第一原子力発電所事故が引き起こされた。福島県も大きな被害を受けたが、引き続き福島県立医科大学に勤務した。その傍ら、他の教育・研究機関においても教鞭を執っており、2010年（平成22年）9月から2012年（平成24年）12月までカリフォルニア大学サンフランシスコ校で客員助教授を兼任していた。

2017年（平成29年）9月、県と同名の公立大学法人が設置・運営する静岡県立大学に転じ、薬学部の講師に就任した。静岡県立大学の大学院においては、薬学研究院の講師を兼務した。翌年10月には、静岡県立大学の薬学部において准教授に昇任した。薬学部においては、主として薬学科の講義を担当し、黒川洵子らとともに生体情報分子解析学分野を受け持った。また、大学院においては薬学研究院の准教授を兼務した。静岡県立大学の大学院には研究院・学府制が導入されており、大学院においては主として薬食生命科学総合学府の講義を担当し、生体情報分子解析学教室を受け持った。なお、このゼミは、三輪匡男、菅谷純子らが主宰したゼミの流れを汲む。

研究

専門は薬学であり、特に薬理学などの分野の研究に取り組んでいた。具体的には、ヒトの心筋の人工多能性幹細胞について、電気生理学的な現象を解析するとともに、創薬への応用を試みた。また、運動器や循環器の疾患に対し、性差が及ぼす影響について研究していた。学術団体としては、日本薬学会、日本薬理学会、日本生理学会、といった団体に所属していた。

人物

本名は「坂本多穗」であり、名の「多穗」は「かずほ」と読み、「穗」は「穂」の旧字体である。

略歴

• 1978年 - 誕生。
• 2001年 - 名古屋市立大学薬学部卒業。
• 2006年 - 名古屋市立大学大学院薬学研究科博士課程修了。
• 2006年 - 福島県立医科大学医学部助手。
• 2007年 - 福島県立医科大学医学部助教。
• 2010年 - 福島県立医科大学医学部講師。
• 2010年 - カリフォルニア大学サンフランシスコ校客員助教授。
• 2017年 - 静岡県立大学薬学部講師。
• 2017年 - 静岡県立大学大学院薬学研究院講師。
• 2018年 - 静岡県立大学薬学部准教授。
• 2018年 - 静岡県立大学大学院薬学研究院准教授。

賞歴

• 2006年 - 日本薬学会東北支部会若手研究者発表賞。
• 2007年 - トランスポーター研究会年会ベストポスター賞。
• 2008年 - 日本毒性学会学術年会優秀研究発表賞。
• 2010年 - 日本薬理学会年会優秀発表賞。
• 2013年 - 福島医学会学術奨励賞。

脚注

関連人物

• 黒川洵子
• 菅谷純子
• 三輪匡男

関連項目

• 薬学
• 薬理学
• 人工多能性幹細胞
• 運動器
• 循環器