寄川条路(よりかわ・じょうじ、1961年 - )は、日本の哲学者、文筆家。筆名は紀川しのろ。
専門は観念論と解釈学を中心とする思想文化論。
略歴
1961年、福岡県生まれ。
早稲田大学文学部卒業後、同大学院博士課程を経て、ドイツ・ボーフム大学大学院を修了、文学博士。
愛知大学教養部助教授、同大学法学部教授、明治学院大学教養教育センター教授などを歴任。
日本倫理学会和辻賞、日本随筆家協会賞などを受賞。
2014年、ヘーゲルの自筆書き込み本『フィヒテとシェリングの哲学体系の差異』(1801年)を東京の古書店で発見。
2016年、授業を無断録音し教授を解雇していた明治学院大学を告発(明治学院大学解雇事件 )。
2018年、東京地裁は明治学院大学が教授を解雇したのは違法と判決(明治学院大学事件 )。
著書
単著
- Hegels Weg zum System. Die Entwicklung der Philosophie Hegels 1797-1803, Frankfurt: Lang, 1996.
- 『体系への道――初期ヘーゲル研究』創土社、2000年。
- 『構築と解体――ドイツ観念論の研究』晃洋書房、2003年。
- 『東洋と西洋――カール・レーヴィットと鈴木大拙』中部日本教育文化会、2003年。
- 『ヘーゲル『精神現象学』を読む』世界思想社、2004年。
- Das System der Philosophie und das Nichts. Studien zu Hegel, Schelling und Heidegger, Freiburg: Alber, 2005.
- 『〈あいだ〉の解釈学――異文化の理解にむけて』世界書院、2006年。
- 『ヘーゲル哲学入門』ナカニシヤ出版、2009年。
- 『新版 体系への道――初期ヘーゲル研究』創土社、2010年。
- 『東山魁夷――ふたつの世界、ひとすじの道』ナカニシヤ出版、2014年。
- 『今泉六郎――ヘーゲル自筆本を日本にもたらした陸軍獣医』ナカニシヤ出版、2015年。
- 『ヘーゲル――人と思想』晃洋書房、2018年。
- 『教養としての思想文化』晃洋書房、2019年。
- 『哲学の本棚――書評集成』晃洋書房、2020年(近刊)。
筆名(紀川しのろ)
- 『随筆集 カサブランカ』日本随筆家協会、2008年。
- 『日々の栞』角川学芸出版、2010年。
- 『教養部しのろ教授の大学入門』ナカニシヤ出版、2014年。
- 『教養部しのろ准教授の恋』ナカニシヤ出版、2015年。
- 『シノロ教授の大学事件』世界書院、2019年。
編著
- 『生命と倫理』学陽書房、2004年。
- 『メディア論――現代ドイツにおける知のパラダイム・シフト』御茶の水書房、2007年。
- 『インター・カルチャー――異文化の哲学』晃洋書房、2009年。
- 『グローバル・エシックス――寛容・連帯・世界市民』ミネルヴァ書房、2009年。
- 『新しい時代をひらく――教養と社会』角川学芸出版、2011年。
- 『若者の未来をひらく――教養と教育』角川学芸出版、2011年。
- 『ヘーゲル講義録入門』法政大学出版局、2016年。
- 『ヘーゲルと現代思想』晃洋書房、2017年。
- 『ヘーゲルと現代社会』晃洋書房、2018年。
- 『大学における〈学問・教育・表現の自由〉を問う』法律文化社、2018年。
- 『大学の危機と学問の自由』法律文化社、2019年。
- 『大学の自治と学問の自由』晃洋書房、2020年。
共著
- 『自然とその根源力』ミネルヴァ書房、1993年。
- 『〈対話〉に立つハイデッガー』理想社、2000年。
- 『ドイツ観念論を学ぶ人のために』世界思想社、2006年。
翻訳
- ヘーゲル『初期ヘーゲル哲学の軌跡――断片・講義・書評』ナカニシヤ出版、2006年(編訳)。
- カール・ローゼンクランツ『日本国と日本人』法政大学出版局、2015年。
- オットー・ペゲラー編『ヘーゲル講義録研究』法政大学出版局、2015年(監訳)。
- ヘーゲル『美学講義』法政大学出版局、2017年(監訳)。
脚注