福田 博(ふくだ ひろし、1935年8月2日 - )は、日本の元外交官、元最高裁判所判事、弁護士(丸の内国際法律事務所)。
人物
東京都立日比谷高等学校、東京大学法学部を卒業後、外務省の中枢ポストを昇進し続け、次官候補最有力とも目された。1995年からは約10年間、最高裁判所判事を務め、定年退官後は弁護士となった。
最高裁判事として関与した事件には、愛媛県靖国神社玉串料訴訟、神戸高専剣道実技拒否事件、在外日本人選挙権訴訟。また、一票の格差を巡る各違憲訴訟においては、少数意見として違憲判断を書き続けた。
職歴
- 1959年3月 東京大学法学部第二類(公法コース)卒業
- 1959年 外務公務員採用上級試験合格
- 1960年3月 東京大学法学部第一類(私法コース)卒業
- 1960年4月 外務省入省。同期は、林貞行、谷野作太郎、伊藤憲一ら
- 1962年 イェール大学イェール・ロー・スクール修了(LL.M.)
- 1975年-1976年 外務省経済局国際機関第二課長
- 1976年-1978年 外務省アメリカ局北米第二課長
- 1978年-1980年 同省同局北米第一課長
- 1980年-1983年 在米日本国大使館参事官
- 1983年-1985年 大臣官房人事課長
- 1985年-1986年 大臣官房審議官(アジア局)
- 1986年-1987年 内閣総理大臣秘書官
- 1989年1月-1990年9月 外務省条約局長兼大臣官房海洋法本部長
- 1990年9月-1993年 駐マレーシア特命全権大使
- 1993年-1995年 外務審議官(政務担当)
- 1995年9月4日-2005年8月1日 最高裁判所判事
- 1996年 カールトン大学名誉法学博士
- 2005年8月 最高裁判所判事を定年退官、弁護士登録(第一東京弁護士会)
- 2006年3月- 西村ときわ法律事務所(のち西村あさひ法律事務所)オブ・カウンセル
- 2006年- 株式会社ミレアホールディングス監査役
- 2007年4月 旭日大綬章受章
同期
- 林貞行(外務事務次官、駐英大使)
- 谷野作太郎(駐中国大使、駐インド大使、内閣外政審議室長)
- 数原孝憲(青年海外協力隊事務局長、駐アイルランド大使、駐ナイジェリア大使)
- 小野寺龍二(駐墺大使)
- 伊藤憲一(日本国際フォーラム理事長、青山学院大学教授)
- 太田博(日本国際フォーラム専務理事、駐タイ王国大使、国際交流基金専務理事、駐サウジアラビア大使)
- 小西芳三(駐ペルー大使)
- 片倉邦雄(大東文化大学教授、駐エジプト大使、駐イラク大使、駐アラブ首長国連邦大使)
- 古川栄一(日本国際戦略センター設立)
著書
- 『多国籍企業の行動指針―OECD宣言の解説』(時事通信社、1976年)
- 『世襲政治家がなぜ生まれるのか? ―元最高裁判事は考える―』(日経BP社、2009年)
脚注