寵物先生(ミスターペッツ)は台湾の推理作家。台湾推理作家協会会員。本名は王建閔(おう けんびん)。
来歴
- 2006年 - 第4回人狼城推理文学賞(現・台湾推理作家協会賞)で短編「名為殺意的觀察報告」が最終選考に残る。
- 2007年 - 短編「犯罪紅線」で第5回の同賞を受賞。
- 2008年 - 初の単行本(連作短編集)『吾乃雑種』を出版。
- 2009年 - 『虚擬街頭漂流記』で第1回島田荘司推理小説賞を受賞、台湾・中国・日本・タイでの刊行が決まる
大学一年生の時に西村京太郎の『殺しの双曲線』と高木彬光の『刺青殺人事件』を読み、人を感動させる推理小説を一生追求していこうと心に決める。島田荘司や東野圭吾などの日本の本格推理小説を愛好している。
台湾での筆名は寵物先生(チョンウーシエンセン)で、「寵物」はペットという意味、「~先生」は「~さん」という敬称に当たる。日本ではそれをそのまま英語に訳した「ミスター・ペッツ」という筆名を使っていた。2010年4月、島田荘司推理小説賞受賞作『虚擬街頭漂流記』の日本語訳刊行にあたって、日本でのペンネームの表記は寵物先生(振り仮名:ミスターペッツ)に統一された。
日本語訳作品
- 単行本
- 虚擬街頭漂流記(きょぎがいとうひょうりゅうき) (訳:玉田誠、2010年4月、文藝春秋、ISBN 978-4-16-328960-1)(原題:虚擬街頭漂流記(2009))
- 短編
- 彷徨えるマーク・ガッソン (訳:玉田誠、光文社『ジャーロ』2011年春号(2011年3月)) - 台湾では未発表
作品リスト
- 単行本
- 『吾乃雑種』(明日工作室、2008年3月) - ロボット三原則にまつわる事件を描く連作短編集。2編収録。
- 特斯拉之死
- 吾乃雑種 - 第1回浮文誌新人賞(日本の文芸誌『ファウスト』(講談社)が主催するファウスト賞の台湾版)2次選考通過作品
- 『虚擬街頭漂流記』 - 長編
- 台湾版 (皇冠文化、2009年8月) ISBN 978-957-33-2570-3
- 中国版 (当代世界出版社、2009年11月) ISBN 978-7-5090-0566-8
- 『追捕銅鑼衛門:謀殺在雲端』(讀癮出版、2013年11月) - 長編 ISBN 978-986-88-8337-6
- 『S.T.E.P.』(皇冠文化、2015年3月) - 陳浩基と共著 ISBN 978-957-33-3139-1
- アンソロジー・雑誌等収録短編
- 名為殺意的観察報告
- 『魅影殺機』(明日工作室、2006年4月) - 第4回人狼城推理文学賞入選作品集
- 『台湾推理作家協会傑作選2』、2008年3月
- インターネットサイト「台灣推理夢工廠」でも公開中
- 犯罪紅線
- 『誘殺』(明日工作室、2007年3月) - 第5回人狼城推理文学賞入選作品集
- インターネットサイト「台湾推理夢工廠」でも公開中
- 凍夏殺機
- 『自由時報』夏季特別号 2009年7月3日-7月5日
- 長腿叔叔online
- 『台灣推理作家協會會訊2012』(台湾推理作家協会、2012年8月)
- 『歧路島』創刊号(台湾推理作家協会、2014年5月)
- 奪命交叉點
- 『自由時報』夏季特別号 2013年7月19日-7月21日
- 桔梗之夏
エッセイ・その他
島田荘司推理小説賞の受賞以前から、日本の推理小説関連ムックなどに台湾ミステリーについての記事を寄稿していた(中国語で書いたものを訳者が翻訳している)。
- 台湾ミステリーの紹介
- 台湾ミステリー事情2007 (『本格ミステリー・ワールド 2008』南雲堂、2007年12月) - ミスター・ペッツ名義
- 台湾ミステリー事情2008 (『本格ミステリー・ワールド 2009』南雲堂、2008年12月) - ミスター・ペッツ名義
- 受賞のことばと2009年台湾ミステリーの発展 (『本格ミステリー・ワールド 2010』南雲堂、2009年12月) - 寵物先生(振り仮名:ミスター・ペッツ)名義
- その他
- 都市の詩情 - 島田荘司『摩天楼の怪人』(創元推理文庫、2009年5月)の解説 - ミスター・ペッツ名義
脚注
- ^ 『魅影殺機』(明日工作室、2006年)作者簡介を参照。